第109話:広大なアメリカの
「こうしてご主人様と走るのは二度目ですね」
もはや言うまでもなく不法入国。アメリカの広大な更地を一本線を引いたように道路が縦断していて、対向車が全くいない道を壱岐尾先生のフェラーリがご機嫌に走っていた。
「アメリカの広大な土地をスーパーカーで走るのはご機嫌だな」
「ご主人様にそう言ってもらえて光栄です」
「こういうのも悪くないとは……まぁ思えて」
「夏休みになってからご主人様と距離が離れたように感じていましたから」
「錯覚ではないだろうが、一応花火大会には行ったろ」
「あの時は独占できませんでしたので」
スーパーカーで二百キロ出しながら道路を縦断していく壱岐尾先生。
「今夜はニューヨークのホテルに泊まりましょうね」
「スイートルームか?」
「それもいいかもしれません」
クスリと壱岐尾先生が笑う。
「本当ならラスベガスに行きたいんですが……」
「成人していないと無理だもんな」
「残念ながら」
まぁ言うてニューヨークの高級ホテルに泊まれるだけでも十分贅沢をしている気はするが。摩天楼から見下ろすニューヨークの夜景はドラマとかでは奇麗だと表現される。実際に見たことが無いので今回が初になるのか?
「ところで二百キロって事故ると死ぬよな?」
さっきから恐ろしい速度で道を走っているが、まぁ殺風景な風景の対向車も無い道だ。警察も検挙はしないだろう。多分、と注釈はつけるが。
「成人したらご主人様が運転席に座ってもいいんですよ?」
「こんな高級車を乗り回す神経は持ってねーよ」
別に事故っても金には困っていないが、そういう問題でもない。
「日本だと二百キロ出すと捕まりますので」
それだよなー。アウトバーンとかそういうところに行かないとどうしてもな。
「そういう意味ではこの道はお気に入りなんです」
WARPドライバで車ごと空間転移。スーパーカーを乗り回す、みたいな。一応壱岐尾先生は運転が達者なので、これでも心配はしていない。
「はー……最高。酒と車は嫌なことを忘れさせてくれる」
「嫌な事でもあったのか?」
「無雲帝国と敵対するかもしれないんです」
知ってはいるが……それはキラとキワミの口からも聞いた。やっぱりバーゴストライク的には微妙な心情なのだろう。
「お前は嫌か?」
「嫌……というか。バーゴストライクにとっては母国ですし」
実際問題、まだ誰も知らないがバーゴストライクは無雲帝国の財産だ。本来であればユニバーゴと戦う理由も無い。けれど俺の都合で結論少女ユニバーゴと戦ってもらうことになるかもしれない。どこまで出来るかは……まぁこの際考えない方向で。
「別に倒してしまっても構わんぞ」
「皇帝ですよ?」
「皇帝だな」
「レコンキスタドーンの首魁ですよ?」
「首魁だな」
「勝てると思います?」
「さてどーだか」
俺は肩をすくめる。
「四人でかかればあるいは?」
「まず百兆円が集まるのかどうか」
「分の悪い賭けじゃないとは思うが。皇帝さえ倒してしまえば、世界は無雲帝国から核融合技術を盗み放題なわけだし。メターマンを計算に入れなければ、と注釈はつくが」
「仮に皇帝が倒れたら誰が無雲帝国を統治するんですか?」
「日本に合併するかもな」
そうなると確定申告と累進課税が元通りになってしまうが。魔法少女には生きにくい政治になるだろう。
「ご主人様は国民として……やはりユニバーゴを?」
「太陽少女オーバーサンも推しだぞ?」
「それは光栄ですけど……」
歯にモノが挟まったような言い方だった。そうして時速二百キロのドライブに満足したのか。そのままニューヨークに跳んで、ホテルにチェックイン。フェラーリを駐車したことがよほど恐ろしかったのか。ホテルマンの対応はかなり丁寧。そうしてホテルのスイートルームに案内されたのだが。
「ある意味で人間社会のあるべき姿だな」
高いビルが立ち並び、そのどれもが光学的に光っている。それを高みから見下ろす光景は確かにちょっと快感で。金出しているのは壱岐尾先生なのだが。スイートルームだけあって、広い風呂も個室についており、いくらでも風呂に入れるようになっている。
「一緒に入りませんか? ご主人様」
「メスブタが奉仕してくれるならな」
「あぁ♡ はいぃ♡」
そう言って壱岐尾先生はペット用の首輪を用意して俺に手渡してきた。壱岐尾先生の首にはめろ、ということらしい。仕方ないので壱岐尾先生の首に首輪を巻く。
「嬉しいです♡ ご主人様♡」
「本気でそう言えることがお前の凄いところだよ」
「一生ご奉仕します。ご主人様が誰と結婚なさろうと先生はご主人様の都合のいい奴隷であり続けます♡」
「じゃあまずは全ラになってもらおうか」
「もちろんです、ご主人様。ご主人様に隠すべきものなんて何もありません♡」
そうして恥も外聞もなく壱岐尾先生は全ラになった。
「そのデカ乳だけは褒めてやる」
Hカップの爆乳だ。
「おっぱいしか取り柄の無いメスブタで申し訳ありません♡ ご主人様の財産として貧相で申し訳ありません♡」
「まぁそんなブタでも使ってやるから安心しろ」
「ご主人様のお慈悲に心から感謝いたします♡」
「人間としての尊厳を捨てたお前はもうただのメスだろう」
「この首輪がご主人様の所有物の証です♡」
「学生に忠誠を誓う担当教諭か。恥ずかしくないのか?」
「教師である前に先生はメスですから♡」
「今夜は可愛がってやるよ」
全ラの壱岐尾先生のニュー圧を揉んで、俺は酷薄な笑みを浮かべた。
「はい♡ たっぷり調教なさってください♡」
そうして二人で風呂に入る。おせっせをするのにタイミングも何もいらなかった。ただただ俺に首輪をつけてもらって俺のペットになったことを喜んでいる壱岐尾先生が乱れに乱れ、そうして俺たちのシルエットは重なった。
「あ♡ ご主人様の♡ 大きい♡」
「何が……とは聞かないが、そんなもんかね」
「とっても素敵です♡ 先生の自慢のご主人様♡」
「だったら服従の証を見せて見ろ」
「何をすればいいですか?」
「女として終わっているところを見せてくれれば文句はないな」
「では――――はどうですか?」
「お前、成人女性の立場から本当にそれが出来るのか?」
「ご主人様への忠誠を誓うためなら先生はどんな恥でもかけますよ♡」
「まさにメスブタだな」
「はいぃ♡ 先生は一生ご主人様のメスブタです♡ お傍においてくださればそれ以上は望みません♡」




