同級生の男の子のパパと♡
花子が連れてこられた部屋のどでかい白いソファーには、足を組んで膝上で手を合わせている一人の男が笑顔でいる。
「やぁ、君が次郎の同級生の山田花子さん?初めまして、僕は次郎の父親の公博といいます。よろしくね」
と無駄にイケメンの既婚者の男性がいう。
ばっちり高級そうなスーツで身を固めた男が、次郎の父親らしい。花子の飲んだくれ父親とはまったく違う。
「次郎君のお父さん」
「そう。あいつのパパだよ。あいつが女の子連れ込むなんて珍しい。次郎は君に興味があるのかな?無駄に不良みたいなことをしているみたいだけど、彼女ができることはいいことだと思う。良かったら、君が次郎の相手してくれる?金なら払うからさ。でも結婚はよしてもらいたいな。君の家貧乏だろう?調べさせたところ昼間から飲んだくれている父親もいるみたいだしさ」
にっこりイケメンがえげつないことを言っている。花子はあまりの言葉に、口が半開きになってしまった。
唖然としていたが花子のなかにふつふつ怒りが込みあがる。それでも一応にこにこ笑みを浮かべる。
「次郎君にも女を選ぶ権利があります。まぁ、私は世界一可愛いですけど、次郎君とはただのお友達で付き合う予定もありません」
「そう残念。いつでも次郎の相手してあげてね。あの子は寂しがり屋だから」
とかなんとかいう次郎の父親。
次郎もぐれるわけだと、なんだか花子は納得する。
「ほほほそうですわね。私飲んだくれの父親がいる貧乏な家に帰らなければいけませんの。ほなさいなら」
と適当に相槌を打ちながら、とっとと花子は家に帰ることにした。
部屋を花子はでて床をどすどす踏みしめながら歩いていると、何人かのスーツの男がついてくる。
むなくそ悪い話だと、ぺぺっと花子は口を動かし、舌打ちをする。
「花子、大丈夫か?俺の親が何か変なこと言わなかったか?」
心配そうな顔で次郎が、花子のことを待ち受けている。
「おい、次郎、その不細工な女はなんだ?」
大変失礼なことを突然現れた背の高い黒髪の鋭い目つきの名門青高校の制服を着ている少年がいう。
「兄貴」
しょぼくれている次郎の顔。どうやら現れたのは次郎の兄弟のようだ。
「次郎君のパパさんにあいました。花子、ちょっと怖かった」
当然世界一可愛い花子は失礼なくそを無視して、次郎にいう。
「ブス!おいブス!!」
無視だ無視。
「おいブス!」
ついにブスと呼ぶ男は、突然花子の腕を掴んできた。
「お前次郎の女だろう?あいつにはお似合いのブスだな」
とかわからんことを初対面の可憐な少女に言ってきたので、花子はにっこり笑っていった。
「あなたはどなた?」
「次郎の兄の英継 だ」
「私ブスだという名前ではございませんことよ。出直してこい。くそ野郎」
ふん!っと花子は力づくで掴まれていた腕を引き離した。
「ち!くそが」と花子は言い放った。
「おい花子!大丈夫か?俺が送っていく」
花子の鬼の形相に、次郎の全身はぷるぷるふるえている。相変わらずのチキンらしい。
「いらん。私はもう帰ります」
玄関先靴を履かずに靴下いっちょで外に出た。慌てて後ろから使用人の人らしき人が追いかけてきたが、無視して 靴も履かずに外に出た。
むかむかむかむかする。花子の怒りは怒髪天を突いた。
その翌日花子は校内で菓子を食べている次郎を見つけ出していった。
「お前の家族見返してやんぞ。くそが」
「はぁ?」
きょとんとして花子を見上げる次郎の姿が、どこかヒマワリの種を頬張るリスのように見えたが、そのリスは鬼の形相の花子を見て、凍り付いた。




