さらば、馬鹿ども
その時花子はひどい眩暈でへたりこんだ。どうやら腕からの酷い出血で、貧血でひどいめまいがしているらしい。
ここで気絶したらろくなことにならんと、花子は歯を食いしばる。
「大丈夫?山田さん止血したほうがいい。そのままじゃ、死んでしまう」
「死ねばいいんじゃないですか?こいつ」
「てめぇが死ね、桜」
そんなこんなを三人で話していると、もう一人現場に現れた。
「大丈夫か?花子」
次郎君がそこに現れた。
このタイミングで現れたということは、花子を部下に尾行させていたなと、薫は視線を向ける。
次郎はため息をつくと煙草をくわえて、薫に視線を向けた。
「お前のまだ花子から手を引かないとすると、雇い主は俺の両親と、もしかして俺の兄貴か?」
「いえ、あなたのお兄様はどうやらあなたに消えてほしいようで、裏から手を回しているようですが。違います」
「俺が両親以上にお前に金を出すから、花子に手を出すな」
「無理です。正直あなたの両親の方が財界とかに力が強いです。あなたでは力不足です」
「そうかよ?一つ気になっていたんだが、お前まさか花子のことすきなんじゃねぇよな?」
「違います。仕事は仕事、私情とは俺は分けますので」
「私情では本音はどうなんだよ」
「あなたが心配するような感情は、花子さんには俺は持ってません」
「そうかよ。嘘ついたらどうなるかわかるか?」
「お好きに」
薫との話を終え、次郎はへたり込んでいる花子に目を向ける。
「今タクシー呼んでやるから待ってろ。病院にすぐいけ」
「次郎君、私は次郎君のこと好き」
「そうかよ」
煙草を捨てて真っ赤になって頭をかく次郎君はたいそう可愛かった。
「でも靴は食べれないし、次郎君が生意気な口きいたら、縛り上げて落書きする。処女をあげてもいいけど、次郎君を抱くのは私じゃ。わかったか?」
「好きにしろよ」
次郎は花子を抱え上げた。
「じゃぁな」
そう次郎が言う。
「じゃぁな、馬鹿ども」
そう花子が言った。




