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どきどき♡新婚生活♡♡♡


見張りの見知らぬ男が花子の縛られた両手足の紐をほどく。


「ありがとう」

上機嫌で花子は微笑むと、ぎりぎりと自分の指を噛み、花子は婚約届に、血判で指印しておいた。


「あのハンコがありますが」

スキンヘッドの男がそう親切に言ってくれた。


「いっけなぁーい☆私って本当にドジ♡」


そのハンコに花子の血をつけて、ハンコを婚約届に押しておいた。


こうして花子は山笠薫と結婚したのであった。

そこで花子は考える。

薫君ではなく、薫のくそは、確か次郎に、次郎の両親に雇われた薫に脅迫されたこのことを、次郎張本人に話すことについては、なんにも禁止事項として言ってはいない。

解放された花子は、さっそく次郎にこのことを話すことにした。


スーツ姿で花子との待ち合わせ場所にやってきた次郎はたいそう格好がよい。昔から次郎は顔がよかったので、スーツをきているとうっとりする。


「どうしたの?今日は格好いいね」

ずずーっと、花子は注文していたメロンソーダを飲み干す。


「ほめてもらって嬉しいが、お前どこいってたんだよ!」

次郎君は切れ気味に、花子を睨む。


「ごめん。ちょっと薫君に誘拐されてたの」


「はぁ!?」


「どうやら薫君次郎君の両親に雇われていた工作員?だったみたいなの。私と次郎君を別れさせようと、脅迫してきてさ。怖かった」


「・・・・なるほどな。俺の両親がお前が山笠薫と浮気しているって、写真をもってきたんだよ。こんないけめん野郎が、お前に興味があるなんて裏があるとは思っていたんだが」


「確かに私ほどきれいな女なら、普通薫君程度になると、気後れしちゃうもんね」


「そうだな」


「そうだね」


花子と次郎はお互い顔を見合わせてため息をつく。

花子は一応次郎のネクタイをひねり上げて、首を絞めておく。


「す、すまん。殺さないでくれ」


「というわけで、次郎君との結婚難しいみたい。ごめんご」と花子は軽い調子で言った。


「何でそうなるんだよ!諦め早すぎるだろうが!お、お前は俺のこと好きじゃないのかよ?」


「あ」


「いや、何も言うな。どうせろくな返答じゃないことはわかっている。とにかく俺は裏からどうにかしてみるから、山笠とは絶対寝ないでくれ。お前の処女は俺のもんだ」


「いや、あの処女じゃないけど」


「は」


「なんちってー。処女は俺のもんなら、次郎君の処女は私のものということになんの?」


「なるか!!なんだよ俺の処女って」


「んー?尻穴?気持ちいいらしいよ」


「お前と話していると頭がおかしくなるし、時々悪夢見る」


「そう?変なの」


「ここのステーキうまいんだよ。食べようぜ」


「本当?頼んでみよう」


こうして花子と次郎の食事会議は終わったのだった。


とはいえせっかくどうなるかわからないとはいえ、花子は薫下種との結婚を楽しんでみようかなと、前向きに考え、その日のうち花子は薫の家に行った。

薫はいなかったので、業者に頼んで、薫の家に行き家の鍵をこじ開けて、あのごみ屋敷を掃除し、近くのスーパーで買い物をして料理を作ってみた。


帰ってきて驚いた様子の薫君に、裸エプロンの花子は笑顔で言う。


「おかえりなさい、薫君♡」


怒るかなと内心にやにやしていた花子に、薫君は驚いた様子から、少し照れた様子ではにかんで「ただいま」といった。


それを見て照れ臭くなった花子は持っていたお玉を思わず地面にたたきつけて、「なんでやねん!!」と、叫んだ。


なんでか花子は負けたと思ったのだった。

こうして花子と薫の新婚生活が始まったのだった。


「今日の夕飯はハンバーグだよ。薫君」


「家の鍵どうしたの?」


「業者の人呼んで、付け替えておいたよ。これからはずっと一緒だからね」


につこり微笑む花子に、薫は唖然としているようだった。薫のその様子に花子はほくそ笑む。


そもそもなぜか世界一可愛い花子だというのに、花子が異性にアピールすると、皆警察に駆け込んだりするし、土下座して「勘弁してくれ」という。花子のすばらしさに今のところついてくる凡人はいないのだ。

まぁ、今花子が薫にやっていることは、嫌がらせだと認識してやっているけども。


「嬉しいよ、ありがとう山田さん。こんなに俺のこと思ってくれて。俺、山田さんのことだいじにするから」


「本気で言ってる?」


「山田さん、ありがとう。俺山田さんにひどいことしたのに」


「いやいやいや、薫君って天然だよね?」


「天然?」


きょとんとする薫に、花子は頭痛がしてきた。


「嫌何でもない」


「ああそうだ、今度部屋掃除するときは俺に言ってからやってほしいな。この部屋にはいろんな物的証拠とか始末しないとやばい品物が色々あるから」


「あ、そうですか」

花子は突っ込むのをやめた。


「しかし、薫君の仕事って何なの?殺し屋かなんか?」


「ん?殺し屋というか、始末屋かな?」


「いや、同じだよね?」


「違うよ。いちいち人を殺している仕事なんて、割に合わないし、リスク高すぎるからね。消さなければいけないものを消したりする、便利屋みたいなものかな?」


「いや、薫君、私のこと殺そうとしたよね」


「割に合うなら、殺すかな」


「薫君ってもしかして桜とお似合いのカップルだったんじゃないの?」


「彼女は俺を好きではなくて、思い通りになる人間がすきなんだよ。俺を好きなわけじゃない。利用するものは利用する。そういうところは桜と俺は似てたかな」


首をかしげる薫君。


「あ、そうですか」


やはり花子は突っ込むことはやめた。


「それにその、山田さん裸にエプロンって寒くない?何か着れば」


「服着るのめんどくさいからいい」


「目のやり場に困る」

頬を赤くする薫君。

やばい仕事をしているくせに、妙にギャップがある仕草をする薫君なのだった。


「そうだ。これ」

花子は持っていたものを薫に手渡す。


「これは?」


「私の髪の毛と糸で編んだ腕輪。私だとおもってどこへでもつけていってね♡」


「嬉しい。ありがとう」


微笑む薫君。


「いや、まじで?」


自分でやっておいてなんだが。


「俺天涯孤独で生きてきたから、こういう想いのこもった贈り物は嬉しいよ」


「あ、そうですか」


花子はつっこまない。なんだかつっこんだら負けのような気がする。


「そうだ山田さん、俺と今夜セックスする?」


「いや。それはちょっと」


「俺のこと嫌?」


「嫌です。ふん!」


「そっか。残念」


困った顔で薫は微笑んだ。


とは言ったもの、花子は内心薫にたいして恐怖していた。

こっわ

まるで薫はホラー映画のようだ。常人とは違う反応だ。にこにこしながら本当に薫は優しそうなのに、何かずっと違和感がある。

まるで優し気に微笑みながら、人を平気で刺しそうな。

あの花子が好きだった中学生時代の薫そのままなところもあって、花子の脳内はバグがおきそうだ。


「そうだ。山田さん、ベッド一つしかないんだけど、一緒に寝る?」


「寝る!」


何か嫌がらせしてやろうと、花子はにっこり返事した。薫のこと怖くてしかたがないのに、やめとけばいいのに、花子は負けず嫌いだった。


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