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どつぼにはまる

「山田さんって怖いよねぇー。あの調理実習の時の山田さんの鬼の顔がいまだに夢見る」

「わ、私も」

そんなクラスの女子の声が聞こえてくる。その声を聴いた山笠薫はため息をつく。


「どうしたの?薫、元気ないね」


薫の幼馴染の桜が、帰る準備をしていた薫のもとにやってくる。今日は桜の家族と夕飯を食べることになっていた。


「なんでもない」


「もしかして、恋の悩み?」

によによ桜が笑って薫に聞いてくる。その言葉に、薫の胸はずきりと痛む。


「もしかして同じクラスの山田さんのこと?薫最近いつもあの子のこと見てるじゃん。ついに恋に鈍い薫にも、恋の季節到来ってやつ?」

つんつん桜が薫のことを肘でつついてくる。


薫はため息をついて、「恋ならとっくにしてる」と言いおいて、歩きだす。一人残された桜の顔が赤くなっているのに気づかない。


その様子を他のクラスの女子が、「なにあれ」「うっざ」という声を上げていた。



そのころ花子は学校の帰り道、犬のう〇こをふんでしまい、その足で酔っぱらいの足を踏んでしまい、走って逃げていた。

「うう、運がついていないな。今日は」

げっそりしながら花子は学校の帰り道を帰っていた。



「うう、腹いてぇ」

花子の腹はいつも緩い。下痢気味で油断すると大惨事なので、替えのパンツをもってきている。

休みは腹が痛いので、ぽかぽかの日差しの中で外のベンチに座ってのんびりしている。

ああもうすぐ課外授業でなんかやらなかいけなかったなと、花子は鼻くそをほじる。

花子は一人焼いたクッキーを食べる。花子はそんなに美人でもなく、なにか長所があるというわけではないが、花子は体の調子が悪くなり、いつ死ぬかわからないと知った時、ポジティブに前向きに、自分はこの世界でトップレベルの超かわいい女子だと思い込んで楽しく生きていこうと決めたのだ。

世界で一番可愛い花子のこのクッキーを受け取らない男子はいないだろう。むふふ

花子は一人妄想しつつ鼻の下を伸ばしていた。

そんな妄想は人の気配の足音に、我に返る。


「おお、いたいた。君山田花子だろう?」

とか何とかいいながら能天気そうな少年が、花子の目の前にやってきた。

「あ、あなたは?」

花子とは初対面の男子である。

「俺、津田藩。津田が苗字で、名前が藩っていうんだ。面白いだろう?俺のことは藩くんってよんでおくれよ」

「その藩くんは何の用ですか?」

もしかして告白かも?うへぇへとないしん花子はにやにやする。

「うーん。俺の幼馴染って、山田さんと同じクラスの梅田次郎って知っている?」

「ええ、あのぱつ金で無駄にいきっている方ですよね」

「うーん。言い方があれだけど、まぁ、大体あっているな。次郎さ、最近学校きてないんだよね」

「そうなんですか?」

「そう。理由を聞いたんだけどさ、なかなか言わないんだよ。それでやっとこさ理由聞き出したんだけどさ、次郎、君のことが怖くて学校これないってさ」


いや、なんで?

花子の目が点になってしまった。


「あいつ不良を演じているけどさ、お化け屋敷にも行けない超絶怖がりのチキンなんだ。だから花子さんが友好的に怖くないってアピールして、次郎を学校に連れてきてくれない?金なら払うからさ」


「いや、あの」


「次郎の家ってお金持ちなわけ。しかも次郎の両親は次郎に対してちょう過保護なんだ。このままだと花子さん、次郎の両親に消されるよ」

藩くんは花子に向かって、一枚の紙を手渡された。


「はい、これ。次郎の住所」


「いや、まって」


「じゃ、よろしく」


そういうと一方的に藩は立ち去っていった。


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