ちょっとおませな奮闘記
その日花子は高校の入学式に遅れて慌てて走っていた。慌てて走りすぎて、学校の門に入ったところで、転んでカバンの仲が開いてしまい、替えのパンツが地面に落ちてしまう。
「あ!」
花子はかえのパンツをなんとか拾おうとしたが、それよりも先に一人の少年がそのパンツを広い、花子に手渡してくる。
「はい」
その少年は綺麗な顔の真顔をしていて、花子はなんだかじぶんの汚いパンツを手に持っているが申し訳なくて、恥ずかしくて慌ててパンツを受け取り、カバンの中にしまう。
その俊敏な行動により、緩んでいた花子のお腹はまた痛み出す。
「おうう」
呻く花子に、その男の子は心配そうにみてくる。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫」
「先生よぼうか?」
花子はこの時焦っていて、咄嗟に言ってしまった。
「大丈夫、下痢だから」と。
生理だとは言いにくいし、それに花子の腹は弱くていつも下痢をしていたのもたしかだったからだ。
綺麗な男の子は「そっか。辛いなら保健室に行きなよ。先生よぼうか?」
「だ、大丈夫。武士の情けがあるのなら、私を置いていってください。お願いします」
「分かった」
あっさり男の子は去っていった。学校のチャイムが鳴る。こうして花子の高校生活が始まったのだった。
そののちクラスの女子どもが騒いでいたので知ったのだが、その男の子は山笠薫といい、花子の同じクラスだった。死にたい。
山笠薫はちらちらと近くの席の花子のことをみている。もしかして自分のこと好きなのか?と花子は今舞い上がっていた。
「なぁに?」
もしかして私に告白?うっひょーいと無駄にポジティブな花子は舞い上がっていた。
「山田さん、スカートがめくれて下着に挟まっているよ」
「うぎょっ!本当だ」
どうやらトイレの時にはみ出していた裾のブラウスをスカートの中?にしまおうとして、間違えてスカート裾を、スカート下のハーフパンツにしまっていたらしい。
まぁ下にハーフパンツをはいているからいいんだけど。
「ありがとう」
にっこり花子は微笑んだ。
「うん。」
薫君は優しい。もしかして花子のこと好きなのかもしれない。なんちって。うははっは。
花子は馬鹿笑いを浮かべていた。その様子を薫が思いつめてみていたのに、花子は気づいていない。
薫はため息をついた。
次の調理実習花子は鼻歌を歌いながら、クッキーを焼いていた。すると凄まじいドアが開く音が鳴り響き、金髪のみるからに不良の男子高校生が入ってきた。授業時間途中から入ってきたというのに、余裕である。クラスでも怖がられている有名な不良の梅田松次郎君だ。
「ま、松田君。と、ちゅうで」
怖がっているのに必死で怒ろうとしている戸田先生。
梅田は「あん?」と鋭い目を戸田先生にむけると、戸田先生は「何でもないでぇーす☆」とにっこりわらった。
昨今は教師も事なかれ主義だよなと、なんだか花子は感心する。そのときピーピーとオーブンの終わりを告げる音が鳴り、花子はオーブンからクッキーをとりだす。
「おいそのクッキーうまそうだな」
そういって梅田はなんと花子のクッキーを食べたのである。せっかく薫くんにあげようとしていたクッキーである。
花子は激怒した。
「何してんだ!おらぁああああああ」
梅田が持っていたクッキーの残りを跳ね飛ばし、その地面に落ちたクッキーを何度も花子は踏みつける。
「人様のクッキーをただで食おうなんて、ただですむとおもうなよ!くそが!!謝れよ!おらああああああああああ」
花子は梅田の襟首をつかんで、詰め寄った。
「あ、あん!?お、お前のクッキーかよ!知るか」
心なしか動揺している松田に、鼻息を荒くした花子は詰め寄る。
「もう梅田君なんて知らない!」
ぷんすこ怒りながら、残ったクッキーを皿に移し始める。花子の周りのクラスメイトがなにか口半開きな不思議な表情で、花子のことを見ている。花子は首を傾げ、にっこり微笑んだ。こちらを薫が見ているのに気づいて、花子は顔を赤くした。
梅田は調理実習室からなぜか出ていったのだった。時間が止まったような教室で、花子はクッキーを並べている。
その時クラスのなんだかざわざわという不思議なざわめきの音がしていた。




