97.てかさ
「私ずっと考えてたことがあってさ」
空が真剣な表情をしながら言った。
「私たちが倒そうとしている」
「千国王ってどんな顔なの?」
たしかに、
国王を倒す倒すと意気込んでいるが
ぶっちゃけ顔を知らない相手を倒すとはなかなか難しいことだ。
「そうね」
花は、この国の国民だから顔ぐらいは知っているのだろうな。
「はて、」
「私もずっとそれは悩んでいたのですがね」
話を聞いていた慎さんは、困った表情をしていた。
「どうしたんですか?」
未来が問いかけた。
「慎国王は」
「慎重な方なので」
「自分の顔や、お城の中の構造など形に残さないのですよ。」
私たちが想像している国王は
名のある画家に大きな自画像がを描かせていそうだが
「どんだけ臆病なんだかね」
「あっ」
さすがの陽葵も呆れたように言った。
思わず声が漏れるぐらい。
「そうですね。」
「もしかしたら自分がどれだけ」
「国民に恨まれているのか」
「分かっているのかもしれませんね」
「え?」
まさかの、
自分の情報を流さないのは
敵国とかでは自分の国の国民から自分を守るためだったのか
「それでも、自分のしたいことを貫くって」
「逆に尊敬まであるわ」
花も、怒りを見せた。
「じゃあ私たちが国王の顔を拝むのはできないの?」
夢描が言った。
「そうですね」
慎さんは、少し考えた後にこう付け加えた。
「戦いの役に立つか分かりませんが」
「千国王の娘さん天龍様のお顔でしたらいくつか街にも出回っていると思いますよ。」
「げっ、」
司が見るからに嫌そうな顔を見せた。
そのことは、いったん置いて
天龍さまの顔が分かるのはいい情報かもしれない。
今のところ天龍様は、
どういったん立場の人間なのかよくわかっていないが
王族の顔を知っておいて不利になることはないだろう。
「でも、なんで千国王、自分の顔を見られるのは嫌なのに」
「子供の顔は止めなかったのかしら」
恋歌が、疑問を持った。
「そうですね」
「噂で聞くと」
「千国王は、天龍様の情報はけっこう外に流すことを」
「許可していたみたいですからね」
慎さんには、珍しい低く冷たい声が
この空間に広がった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




