94.誰にも知られていないこと
シュンッ
みんなが、次々に魔法陣で転移をした。
「じゃあ」
「また後でね!」
最後の方まで残っていたのは花と陽葵、司だった。
そして、今
花が魔法陣で地下の部屋へと戻った。
残りは、陽葵と司の2人だ。
「司、」
「ごめん」
陽葵は、少し悲しそうな声で言った。
「なんで謝るんだ?」
司は、戸惑っていた。
「...何となく」
「っ、」
「陽葵、」
「やっぱり」
「あの時」
今度は焦ったように司が言った。
「ごめん」
陽葵は、謝るだけで
その後は何も言わなかった。
「...陽葵」
「もう、無理をしない方が」
「平気だよ!」
「...まだ」
司の目には、少しづつ
涙が溜まっていた。
その涙を零さないよう
力を入れても
「えへへ」
「なんで司が悲しそうにしてるの」
陽葵の顔には今度笑顔があった。
誰が見ても心の底から笑っていると言われるような笑い方。
「大丈夫だよ」
「昔の約束は絶対に叶えよう」
「あぁ」
陽葵の言う約束とは
なんだろう。
ただ、
昔に交わした約束は、
今時空を超えて果たされようとしているのだろうか。
「さっ!」
「私たちも帰ろう」
「みんなの元へ」
陽葵たちは、魔法陣に恐れることなく歩いた。
シュンッ
──────
トンッ
「あっ!」
「もう、遅くて2人になんかあったのかと思った。」
「心配したんだからな。」
みんなは、無事に慎さんの元へ帰ることができていた。
「ごめん!」
「いざ、転移しようと思ったら」
「怖くなっちゃった、」
陽葵は、いつものようにふざけながら言った。
「なんだよ」
「私が先に行くよ!」
「とか、カッコつけたくせによ」
蓮、あんたのだけには言われたくない。
と心の中で突っ込むB組だった。
「皆さん」
「今日もう、お疲れでしょうから」
「お風呂に入って寝てください」
慎さんは、優しく言ってくれた。
それに、お風呂の掃除やシーツの取り替えもしてくれていた。
「なんか、帰ってきたわ」
ここが自分たちの家ではないことは分かっている、
でも、ここにいると何故か安心できる。
「俺が最初にお風呂入る、」
楓は、ボソッと言った。
今回は、楓の気持ちを考えると災難でいたたまれない。
「楓、今回の件ごめんね」
陽葵が謝った。
「別に、死ぬとは思ったけど」
「...帰れたし、いいよ。」
「えっ?」
いつもだったら
「ほんとだよ!!」
と怒鳴られてもおかしくないのに。
「ありがとう」
あまりの変わりように
思わず楓に感謝してしまった。
「お風呂入ってくる。」
第94話を見て下さりありがとうございました。
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