92.俺もほんの少しだけ悪かった。
「上級魔法って」
「司お前冗談とか言えたんだな」
透が、笑いながら言った。
なるほど、司はみんなの緊張感を和らげるために上級魔法という現実味がない冗談を言ってくれたのか。
「...?」
「俺が、いつ冗談を言った。」
...まじかよ
「じゃ、じゃあ本当に私上級魔法を使えるようになったの、」
夢描は、自分の両手を見ながら信じられないように言った。
「何度そうだといえばお前らは気が済むんだ?」
「とりあえずステータスを見てみろ」
司は、なんでこんなにあっさりと言えるのだろう。
上級魔法なんて、私たちからしたら夢のまた夢のお話だった。
それが、こんなに急に
「ステータス」
ぽわんっ
──────
名前︰吉田 夢描
性別︰女
年齢︰18
Lv︰50
Hp︰100
Mp︰245
固有魔法︰過去魔法
※条件が達成されたため、上級魔法が使用可能となりました。
―初級魔法 可
―中級魔法 可
―上級魔法 可
──────
「本当に使えるようになってる、」
ステータスには確かに上級魔法が使えると書いてある。
「だからずっと言ってるだろ」
「そうだけど」
「信じられないものは信じられないんだよ。」
「とりあえず」
「戻ろっか」
陽葵は、一旦この話は戻ってからゆっくり話すことにしようとまとめた。
──────
「じゃあいくよ、」
未来が両手を魔法陣の方へと突き出した。
「修復魔法」
「術式再生」
―術式再生
この魔法は服や、機械などといった物体を修復する時には使えない。
代わりに、魔法でできた魔法陣や魔石から作られた一部の物質を修復できる魔法だ。
今回は、修復しなければいけない時間が長い。
「くっ、」
未来の眉間にはどんどんしわが寄ってきた。
ピッ、
魔法陣がうっすらと光を取り戻してきた。
「あ、ともうすこ、し」
未来は、最後の力を振り絞った。
ピカンっ
魔法陣は、夢描が過去魔法でもどした時よりも光を出していた。
トンッ
「はあ、」
未来は、その場に座った。
「夢描ので当てられて」
「少し力使いすぎた」
どうやら
時間を修復する以外にも魔法陣を輝かせてしまったらしい。
「もう、ただでさえ魔力量すごいんだからね」
「えへへ」
「ごめん」
でも、これで戻る。
「これってどうやって戻れるの?」
「魔法陣に振れたら戻れるみたいだよ」
陽葵が言った。
「いつもの魔法陣と違って小さいから」
「なんか怖いね」
みんなは、少し怯えていた。
「じゃあ私最初行こうか?」
陽葵が、前に出て行った。
「いや、俺が行くよ」
そう行って前に出てきたのは
蓮だった。
いつもなら怯えて最初に行くなんて絶対に言わないのに。
どうしたのだろうか。
「...司」
「なんだ、」
「俺、お前にあれ食べさせたの後悔してる」
「辛いの苦手なの知ってたのに」
「ムカつくからってあれはやりすぎた」
「だから、」
「俺も、少しだけ悪かった」
「ごめん」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




