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88.懐かしい

「てかさ、」

「陽葵の固有魔法」

「風なのね。」


花が、言った。

陽葵は、ずっとステータスのバグで分からなかった。


「私風魔法使ってたの?」


そこも覚えていなかったのか。


「そうだよ」

「一瞬でドラゴン倒すんだもん」

「司ぐらい強いんじゃない?」


空が、ドラゴンと戦った時の陽葵の凄さを思い出しながら言った。


「そんなことはないでしょ」


陽葵は、信じなかった。

けど、初心者であんなに強い魔法が使える陽葵が

もっともっと訓練したら

きっと、司よりもすごい魔法が使えるのではないだろうか。


「でも、陽葵は、派生魔法じゃなかったね。」


「私も思った!」


派生魔法は、珍しいはずなのに

B組のほとんどが派生魔法だから元素魔法の方が珍しく感じてしまう。


「陽葵は、仲間だと思ったんだけどな」


楓が呟きた。


「あっ、」


ステータスも正常な楓はまだ、使えない。


そして、楓は使えない自分が悔しいのか

誰にも見られないように、夜な夜な一人で練習していた。


「大丈夫だよ」

「使えるようになったらすごい魔法なんだから。」


楓の呪魔法はもしかしたらすごい訓練、魔力量が必要なのかもしれないと言う考え方が

今1番有効なのだ。


「でも、使えないと意味ないけどな。」


力無い声が楓の口から出た。


──────


「あと、どれくらいだ?」


直人が息を切らしながら言った。


「もうすぐで着くはずなんだけど」


柚はミコーラの言われた通り歩いているはずだか

未だに目的の木らしきものを見ていない。


「ここのはずだよ。」


「どこだよ」


だが、小さい木は沢山あるのにその葉は、緑色だ。


「色って緑のことか?」


それは、絶望すぎだろう。


その中で、1本だけ――

小さな木が1本だけぽつんと立っていた。


「どこだろうね」

「って、」

「きゃっ!」


陽葵は、その不思議な木に近づいて手をかけた瞬間


ぐぐぐ...


木が、急激に成長しだし伸びた。

どんどん木は止まることをしないような勢いで大きな1本の木へ成長した。


「...うわぁ」


みんなは、感動した。


緑の葉が服を着替えるように一瞬で桃色へと染まった。


「これは、桜みたいだ。」


そうか、元いた世界では今の季節は

春だ。


本当だったら今頃みんなは、自分たちの夢に向かってそれぞれ、別の道へと別れているはずだった。


「.....綺麗だな。」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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