86.この森をよく知るもの。
「で、どうやって進むんだよ」
透が、言った。
「そうですわね」
恋歌が、困ったように言った。
「異世界ものだとよ」
「陽葵が、聞いた音の方向に行けば着くんじゃないか?」
透が、推理をしだした。
「陽葵が聞いたのはどんな音でしたか?」
恋歌が、陽葵に問いた。
「いや、陽葵が聞いた音」
「通りに行くのは危険だろう。」
「なんでよ、」
「話を聞く限り」
「陽葵は、意識がないのに」
「戦っていたんだろう」
「つまりその音に意識を乗っ取られてるって」
「可能性もあるんじゃないか?」
つまり、その音は私たちについて良くないものなのかもしれない。
「え、怖い」
このまま異世界にいたら何を信じていいのか分からなくなりそうだ。
「じゃあどうすればいんだよぉ」
蓮は、最後の助けであるものがなくなり諦めた。
「ぼ、僕役に立てるかも」
柚が、小さい声で言った。
「柚?」
花は、柚が役に立つと言った理由がわからなかった。
「僕の固有魔法は、動物魔法でしょ」
「そして、この森には人がいないでしょ?」
「そうね」
「そして、この森に詳しいのはもう」
「魔獣でしかいないと思う。」
「なるほど!」
「うん。」
「僕が、魔獣に話しかけてこの森で見かけた」
「色のついた花がなる大きな木を教えて貰ったら」
「少しは、絞れるかなって思ったんだよね」
「確かにそれなら行けるかもしれないわ!」
花は、柚の考えに感激していた。
「でも、魔獣って俺たちのこと襲うんじゃないか?」
直人は、怯えながら言った。
「いや、魔獣の中でもF級のそして大きさが小さい魔獣だったら」
「襲うこともないしなんなら人間に対して警戒せずに近づいてくる魔獣もいるんだ。」
その魔獣は、きっと可愛い姿をしているんだろうな。
「例えばね」
「あ!」
「あれが、」
「ミコーラ」
柚の目線の先には凛としたすがたをして。
耳がは、三角が2つ付いたような形で鋭い目をしたまるで狐のような生き物がいた。
「なにあれ」
「可愛い!」
女子たちがミコーラを見て癒されていた。
「わかる!」
「可愛いよね!」
柚もミコーラの可愛さに癒されているひとりだった。
「柚は、昔から可愛いものが好きだな」
悟は、クスッと笑いながら言った。
「あ、はい」
柚は、さっきまで崩れていた表情を一瞬で直した。
「...」
悟は、すこし寂しそうな顔を見せた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




