85.気が引けるけど
「進むって言ったって」
「司どうすんだよ」
蓮が奇跡的にドラゴンの攻撃に当たらない場所ですやすやと寝ている司を見て言った。
「そうだった、」
陽葵は、司の存在を思い出したように言った。
「もう、起きてもいい時間帯よね?」
花が太陽の光で赤く輝く空を見て言った。
「そうだね」
「うーん」
みんなは、どうすれば司が目を覚ましてくれるかを考えていた。
「実は、1つあるんだけど」
陽葵が、苦い顔をして言った。
「なんだよ」
「早く言えよな」
透が言った。
「でも、」
陽葵は、躊躇い言うか言わないかを考えていた。
「司が、可哀想だしなぁ」
「なんなら、私も傷つく結果になるよなぁ」
ブツブツと陽葵が、呟いていた。
「でも、早くしないとまた」
「ドラゴンみたいな強い魔物が出てきた時」
「戦えるのは司ぐらいだし」
「俺、この森から早く出てぇ」
みんなは、不満を言い始めた。
「わ、わかったよ!」
陽葵は、押し負けられて言う覚悟を決めた。
サッサッサ
陽葵が、司の近くへ近づき顔を近付けた。
「え?」
陽葵と司を見守るみんなは思わず声を出した。
「...」
陽葵は、腹をくくった。
「...唐辛子」
「う、うぅぅ」
司がうなりはじめた。
「わさび」
「うぅぅ」
司は、わさびも苦手なのか。
って、違う。
何故か、陽葵は、司の耳元で辛いものを唱えている。
「...」
「ヴリトアフルーツ」
「うっ、」
一番の地雷がきた。
「これらで、私が料理してあげるよ」
な、なんだと
あの陽葵が、料理とか
「だ、だめだぁぁ!」
司が、叫びながら起き上がってきた。
その顔には今まで見てこなかった恐怖でかられた表情だった。
「陽葵、考え直せ」
「まだ、料理をするには早いだろ?」
「そんな辛いもので陽葵が作ったら、」
地獄とでも言いたかったのだろうか
陽葵の肩を握って焦っている、
「はは、」
「...起きたよ、」
陽葵は、気まずそうに笑った。
だから、陽葵は、あんなに言うのを嫌がっていたのか
自分で料理が得意ではないことを知っていたんだな。
「お、お疲れ様」
──────
「で、どうしてお前らはそんなに魔力が減っているんだ?」
司が、みんなの顔色が悪く疲れているのに気づいた。
「お前が寝ている間にすごいことがあったんだぞ」
「すごいこと?」
──────
「ってことがあってさ。」
直人が一連の流れを司に教えた。
「ドラゴン」
「そんなものがほんとにいたのか。」
司でも、ドラゴンを見た事がないのか。
「それよりも、陽葵」
「魔法を使ったのか?」
司は、真剣な眼差しで陽葵を見た。
「う、うん」
陽葵は、姿勢を正して言った。
「そうか、」
「魔法を無意識に、か」
司は、何故か、悲しそうな顔をして言った。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




