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82.限界

「心核蕀」


花がそう唱えた瞬間


バキバキッ


ドラゴンのたっている地面から亀裂が走った。


ビュゥイン


亀裂からどんどんと植物の根が出てくる。

その根には薔薇の棘のような鋭いものが幾つもついていた。


ビュンッ


根は、ドラゴンの心臓を狙うようにスピードをあげた。


「いけ!」


だが、


グシャッ


植物がドラゴンに触れただけで破裂してしまった。


「う、うそぉ」


花は、絶望してしまった。


「とりあえずみんなで一気にぶつけてみようよ!」


蛍の提案で戦えそうな人は、自分の得意魔法を一気にドラゴンにぶつけることにした。


「おりゃぁ」


「ガァァウ」


だが、―効かない。

さらに、


「や、やばいよ」


「俺もう、」


「立ってられませんわ」


魔力切れになってしまった。


1人、また1人と倒れていく。


「くそ、」

「なんで、俺は魔法が使えねぇんだよ!」


みんなが倒れていく中

唯一まだ、たっていられたのは

森に入ることを拒んでいた楓だった。


「だから、俺は入りたくなかったんだよ。」


魔法の使えない楓だけが残ってしまった。

もう、勝算の見込みはない。


「そうだ、」

「お前ら意識はあんだろ?」

「じゃあここから逃げるぞ」


「楓、」


大輝は、全てを諦めたように言った。


「無理よ」

「もう歩けないわ」


花は、自分の足を見ながら言った。


「俺が、司にヴリトアフルーツを食べさせなかったら」

「勝ててかもしれねぇのに」


蓮は、今更自分のした行動を悔やんだ。


「おい、なんでそんな諦めてんだよ!」

「まだ、勝てるかも、」


「楓、私たちは――弱かった。」

「それが、答えよ」


ドンッドンッ


ドラゴンは、まだゆっくり逃げられない距離まで近づいてくる。


まるで、恐怖で怯える私たちを楽しむように


「でも、」


楓は、何かを言おうとしたがやめてしまった。


それもそうだろう。

みんなは、もう戦うことは愚か立ち上がることさえ難しい。


「っ、」

「はぁ、」


「だから、俺はお前が大っ嫌いなんだよ!」


楓は、叫んだ。


それは、B組に向けられたものか


楓が、向いてるドラゴンになのか今になっては分からない。


「ぐぁぁぁ」


ドラゴンはもう、飽きたのか終わらそうと


魔法を使おうとしている。


ドラゴンは、口を大きく開けて。

灼熱の光が膨れ上がった。


火の玉だ。


そして、その火の玉を


投げようとした


その時だった


ビュッン


「グァハッ、」


――ドラゴンの動きが、止まった。


ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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