67.男子だって
「ちょ、」
「は、恥ずかしい」
「やめろよ...」
何かを拒んでいたのは直人だった。
直人の頬が少し赤みを帯びていた。
「何恥ずかしがってんのよ」
未来が言う。
「だって、」
直人は、何かをまだ拒み続けている。
「教えてって」
「服のサイズがわかんないとどうにもなんないでしょ」
なるほど、先日は未来の魔力が切れかけたため男子の分は作れなかったから今作っているのか。
「俺最近太ったんだもん」
言いたくない理由はそれだったか。
「こっちのご飯なんか手が止まんなくなっちゃうんだよな」
なんとも贅沢な悩みだろう。
「大丈夫だから」
「そんな細かい数字覚えられないから私」
未来が、バッサリと言った。
その言葉を聞いて直人が「そう?」と納得した。
「なんか、男のなのに女子みたいなこと言ってんな」
蓮が笑った。
「うわぁ」
「これは、モテないや」
蓮の発言を聞いた花が引きながら言った。
「な、なんでだよ!」
蓮がモテないと言う単語に反応していった。
「だって、男、女っていう大まかな基準でしか考えられてないんだもん。」
陽葵が、花の意見に賛成しながら付け加えた。
「基準?」
蓮は、陽葵の言った基準という言葉にピンときていなかった。
「じゃあ蓮と司は自分が男だと思ってる?」
陽葵が、蓮と司に問いかけた。
「あぁ、」
「思ってる。」
2人はそう答えた。
「じゃあ、2人は全く同じ人間なんだね!」
「は?」
陽葵は、何を言っているのだろうか。
頭がおかしくなったのか?
「同じわけないだろ?」
蓮が、不思議そうに言った。
司は、なぜが黙っていた。
「そうなんだよ」
なんだろうか話が噛み合っていない気がする。
「たとえ、性別が同じでも同じ人間なんてこの世には1人も存在しないんだよ。」
「だから、同じ人間って言われてもおかしいって思ったってことは蓮は、ちゃんとそのことを分かってるってことなんだよね!」
確かに、男だから女だからという基準を作ったのはそれが普通だと信じてた人だ。
「だから、恥ずかしがる直人が蓮にとって」
「普通じゃなくても」
「それを笑ったり強制したりするのはどんなに徳を積んでもやっちゃいけないんだよ!」
陽葵が、言い切ったみたいなドヤ顔をかました。
「そうだな」
「直人笑ってごめんな」
蓮が素直に謝った。
「別にいいよ!」
「太ったのは自分が食べ過ぎただけだし。」
直人は笑顔で答えた。
「でも、直人サイズは教えるんだよ」
花が言った。
「は、はい」
──────
「でもさ、犯罪が普通の基準の人とかいるよね?」
確かに、それが普通でなくても基準の人はいる。
「そうした時って難しいよね」
止めなければ相手が犯罪者になるという前に自分が危険な目に合うかもしれない。
「そうだね。」
「もし、私がみんなに危害をくわえそうになったら」
「殺してでも止めてね」
「えっ?」
陽葵は、まるで言い慣れているかのように軽く言った。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




