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63.司の由来

「その後」

「母さんは狂ったように泣いてた。」

「俺の両手を掴みながらな。」


勇者に選ばれるとはとても、嬉しい光栄なことなはずなのに


こんなに皮肉なことがあるだろうか。


「俺も、何年もこの魔法を恨んだよ。」


司は、乾いた笑い声を出しながら言った。


「じゃあ司って名前は」


未来が、小さな声で言った。


「あぁ、」

「親父の龍司からとった。」


「あの時言ってた意味はそういう」


蓮が納得したように言った。


──────


「司、」


蓮が、訓練終わりに帰ろうとする司の後ろにゆっくりと歩きながら言った。


「なんだ」


司は、疲れているからか少しぶっきらぼうに答えた。

いつもの事か。


「なんで、お前の名前司にしたんだよ」


司の本当の名前は龍真だ。

司のつの字も入っていない。


「なんでそんなこと聞くんだよ」


「ずっと気になってんだよ」


「俺の憧れの人の名前からとった。」


司は、ボソッと言った。


「お前にも憧れの人とかいんだな。」


「あァ!?」

「もっかい特訓してやろうか?」


「だ、大丈夫です、」


──────


「まぁな」


昔の出来事を思い出して少し照れながら言った。


「そうなんだ」


陽葵は、少し嬉しそうに言った。

知らなかったのだろうか、


「話を戻すか」


司が言った。


勇者がこの国から嫌われている理由。


「嫌われている理由は」

「親父の死んだ理由が関係してるんだ。」


どんなことをして無くなったのだろうか。

もしかしたら、国を裏切った?

魔獣を仕留めそこねた?


「森で迷い込んでしまった」

「1人の少女を助けるために死んだんだ。」


「えっ?」なんで、そんなことで嫌われるのだろうか。

それは、勇者として正しい行動ではないだろうか。

嫌われるのではなくこれからも語り継がれてもいいほど体をはった行動だ。


「なんでいけないのよ?」


空が言った。


「国民の考え方は」

『1人の少女を助けるくらいなら』

『そんな少女を見捨てて自分が生き抜ければいい。』


そんな、考え方があっていいのだろうか。

いや、良くない。


「確かに、この国で勇者は最終兵器なのかもだけど」


蛍が、唖然としながら言った。


「おかしいだろ」

「でも、それが普通の考え方なんだよ」

「この国は」


司は、もう諦めているのかもしれないこの国がそんな腐った考え方をなおすことを。


「だから、」

「俺は、勇者になった。」


「えっ、」

「なんで?」


今の流れ的に勇者になることが変わらなくても抵抗はするんじゃないだろか。

それが逆に乗り気みたいな言い方をしている。




「この国をぶっ壊すためだ。」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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