41.魔法がなくてもできること
この世界に来てから何度目の朝だろうか。
地下にいると光が入ってこないから時間の流れがよく分からない。
「おはよう」
各自の部屋から出て共同スペースへとみんなが集まった。
「おはよぉ」
司と陽葵は、先に今日の花の家族に会うために安全なルートを決めていたようだ。
「陽葵こんなことできるんだね」
空が陽葵と司が作成した地図を見ていた。
「私魔法使えないからこれぐらいしないと。」
「それは、俺への侮辱か?」
陽葵と同様、魔法が使えない楓が言った。
「違うって」
「楓は、魔法が分かってるんだからその内出来るからね。」
陽葵は、焦りながらさっきの言葉を訂正した。そういえば、楓の魔法が発生しない理由も謎だが陽葵のバグも謎である。
「まだバグ直らないの?」
「うん」
そう言って陽葵は、自分のステータスをみんなに見せたがまだ、ところどころバグで文字が見えていなかった。
「この世界でステータスがバグになったんなんて聞いたことないけどね。」
花が陽葵のステータスをじっくりと見ながら言った。
「まっ、」
「今悩んでも仕方ないよね」
そう言って、みんなは朝ごはんを食べる準備をした。
──────
「じゃあ行こっか」
みんながご飯や、支度が終わったあと陽葵は、マントを手に取り言った。
花は、久しぶりに家族に会うことに緊張しているようだった。
「大丈夫だよ」
陽葵は、花の緊張を受け取ったのか花の背中を優しくさすった。
「ありがとう」
陽葵は、少し驚いたような表情をしていたが、その後笑顔を見せた。
「じゃあ行くか」
陽葵達は、市場へと向かった。
──────
「今回は早いね」
陽葵と、司が作った地図通りに行ったら前よりも驚くほど早く市場へと着いた。
「慎さんのおかげだね」
どうやら、みんなが眠ったあと司と陽葵は、慎さんにこの国の細かい道を聞いていたらしい。
「でもここからは、」
―呪縁の通り
それはきっと慎さんでも、たち行ったことのないところ。
「ここからは、私が案内するね。」
花の少し―重い声。
花を先頭に案内通りに行くと、
「ここから先だよ。」
思いのほか市場から遠かった。
まるで目に入らないように確されているかのようだった。
目の前には―
道に直で座っている 息をしているかすら分からない痩せ細った男の人
お母さんがいないのか探しているのか歩き続けている小さな子供
目を背けてしまいたくなる現実がそこにはあった。
「こんなところが」
陽葵も、想像していたよりも残酷な光景に言葉を漏らしていた。
「無理なら」
花は、自分だけで行こうかと提案しようとしたのだろう。
だが、陽葵は、
「どこが花のお家なの?」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




