40.この国の裏側〜残虐さ〜
「行こう」
さっきまで冷たかった陽葵は、決意したように言った。
「どこへ?」
空は言った。
もしかして、騎士団の所へ?
「そんなの決まってんじゃん」
「花のご家族の所へだよ!!」
陽葵は花の方を見ながら笑顔で答えた。
花は、そんな提案をしてくれるとは思っていなかったようで少し驚いたように目を見開いた。
「市場であったんだったら」
「お家はあの近く?」
陽葵は、花の行くか行かないかの意見は聞かずに言った。
花は「うん」と小さく頷いた。
花も家族に会いたい気持ちがあるのだろう。
「あの市場の奥のところ」
「でも気をつけた方がいいよ」
「あそこは」
「王様に罰を与えられたものが集まる場所」
―呪縁通り
市場の活気の溢れる雰囲気とは反している。
その通りに入ったら物乞いをするもの、暴力でただそうとするもの―そんな人達がうろつく場所。
「花の家族はなんでそんなとこ?」
花のさっきの話を聞くかぎりそんなことをするような家族ではないことがわかった。
「1度でも王様の怒りに触れたら」
「その人は、もう犯罪者なんだよ。」
つまり、そんなところにいるのではなくそこにしか入れないということだろう。
「尚更だよ。」
「私は、そこに行きたい。」
陽葵の尚更という意味は分からなかったが、みんなはその話を聞いても、怖い気持ちにはならなかった。
「大人数は危険だ。」
「今回も、いつも通り6人で、」
「いや、今回はりかも連れていこう。」
司の話の途中で陽葵が言った。
「私?」
りかも自分が呼ばれるとは思わなかったようで、びっくりしていた。
「りかの固有魔法は治癒魔法だよね。」
「もしかしたら、花のお母さんの傷を治せるかも、」
陽葵は、少しの希望を願ってりかを連れていくことを提案した。
「わかった。」
司も、陽葵の考えに賛成した。
「じゃあ今回は私待ってるね」
蛍は、1人でも少ない方がいいだろうということで待つことにした。
「ですが、」
「今日はさすがに危ないよね」
慎さんと陽葵は息のあった話し方をしていた。
今日は、もう外に出るのはよしたほうがいいだろう。花の家族似合いに行くのは明日になった。
──────
「そういえば」
「花自分のステータス見せなかったのってそのため?」
ご飯の準備をする途中で未来が思い出したように言った。
「まぁそう。」
花は少し苦笑いをしながら言った。
「今レベルなんなの?」
「25」
「えっ?」
「司はすごいよ」
「あの魔力暴走で私精一杯だったのに」
あの時の暴走を見ていたが、ものすごい迫力だった。じゃあそれを軽くとめあレベル99の司の本気はどうなってしまうのだろうか?
3年B組の司以外の25人は、司が味方で良かったとその時強く感じた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




