34.幻想の面
「おはよう」
いつものように朝が来た。
今日はいよいよ服を買いに行く。6人分の。
今回のメンバーは、相変わらずの司、花、夢描、蛍、蓮、陽葵だった。
楓はこの前の司のわがままな行動に陽葵がいなくてはいけないと感じたらしく今回は参加しなかった。
「でもさ、」
「服屋さんでこのマントはおかしいよね?」
みんなが出かける準備をしている時に空が言った。
服を買う時にマントのままではサイズなどをはかる時に少し不便だ。
だけど、司がいないと異世界に慣れている人がいなくなってしまう。
「それでしたら」
「こちらを使ってください」
慎さんは、棚の引き出しからひとつのお面のようなものを取り出した。
「それは?」
恋歌が聞いた。
「幻想の面」
「効果としては装着した者の認識が一時的に違う人に見えます。」
つまり、司がこの面をつけたら司だとバレないということか。
「そんないいものがあったんですか!」
蓮が、驚いていた。
この面を最初からつけてれば?と思った時。
「もちろん欠点もあります」
「この幻想の面をつけていることを知っている人にはこの効果はききません。」
「そして、この面をつけている間は魔法が使えず外した瞬間、その面は二度と使えません」
この中で一番戦力になる司が使えなくなる。その覚悟が必要になるから使わなかったのか。でも、今の動きづらい服のままではこの先の戦いに支障をきたす。
「わかった。」
司は、慎さんから面を受け取り迷うことなくつけた。司の顔に触れた面は、司の顔の皮膚に吸い込まれるように消えていった。
「変わってんの?」
蓮が、司の変化していない顔をよく覗いて言った。どうやら、つけていることを知っている人には意味がないということは、本当らしい。
「時間がもったいない」
「行くぞ」
「それではこちらが地図です。」
慎さんが、あまり国と絡んでいない服屋の地図を渡した。
司はマントを被り扉の方へと歩き出した。
5人も慌ててマントをとって司の方へと早歩きで追いかけた。
ガチャッ
昨日と同じように細い道を通り抜けて街へと出た。
「司地図貸して。」
陽葵は、司が方向音痴であることを知っていたのだろう。街に出てからは、陽葵を先頭として歩いた。
「異世界に来てから陽葵めっちゃ頼もしくなったよね」
夢描は、陽葵の後ろに着いたまま言った。
「えぇ」
「元々頼もしいでしょ」
「...」
「ちょっとぉ」
──────
「なんか遠いね」
道は間違えていないからあっていると思うがこの街はとにかく広いから歩くだけで一苦労だった。この前は来なかった方に来ていたから余計だろう。
「えっ,,,」
「どうしたの花?」
花がどこかを見つめて止まってしまった。
陽葵は、花の目線の先を見たがそこには人しかいなかった。
「あっ、いや、」
「小さい子が転んじゃったみたいで」
花は、少し焦りながら言った。
「ふーん」
「まっ行こっか」
帰りのことを考えるとあまり時間が無いかもしれない。みんなはマントのフードを掴みながら少し駆け足で、服屋へと急いだ。
第34話をご覧いただきありがとうございます!!
いよいよ次回は待ちに待った服屋です!良かったら見てください!




