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35.服屋へ〜司がフードを外す時〜

「ここを右だね」


陽葵のスムーズな誘導のおかげで少し服屋をゆっくりしても大丈夫なほどの時間が余った。


「つ、着いたァ」


陽葵は、体力がないのに何分間も駆け足で歩いていたから息が切れていた。


「ここか」


この前の交換所のような暗い感じではなく、どちらかといったら明るいお店だった。


「なんかさ、海外来たみたい」


夢描は、服屋の外装を見て言った。


服屋は木材を使った建物で、扉の左右はガラスになっていた。そのガラスから見えるようにマネキンが左右で1つずつ綺麗なお洋服を着ていた。その隙間から見えるお店の中は、服や布が綺麗に整頓されていた。


「未来、来たかったろうな」


蛍もあまりの非日常のお店に圧倒されていた。


カランカラン


司が服屋のドアを開いた。お客さんが来たことをお店の中に知らせるための扉についた鈴が響いた。


「こんにちは」


お店の人らしき人がゆっくりと来た。

その人は、少し腰を曲げていた。

そして、その人が歩くたびエプロンのポケットからこぼれるようにたくさんの服を作るための道具のぶつかり合う音がした。


「どうしましたか?」


お店の人は、司の方へと近づいた。


5人は、お店の人に司の正体がバレるのではないかとひやひやしていた。


「服を買いたくてな」

「動きやすいものがいい」


司もバレないように少し声を低くしていた。


「そうなんですよ」

「1人33ギロニーなんですけど」


陽葵は、司を助けるように隣へ並んだ。


「そうですか」

「皆さんは冒険者さん達ですか。」


決して冒険者ではないがバレなければいいだろうと思いみんなは頷いた。


「33ギロニーでしたら」

「少し薄くなりますがこちらはどうですか?」


そうしてお店の人は、ハンガーに掛かっていた服一式を見せた。


「かっけぇ」


蓮は、その服を見て声をこぼした。

その服は黒を基調としていた。

フードがついたパーカーのような形で、ズボンは、ピチッとした素材が革だった。そして、そのズボンにはポーチのようなものが付いたベルトがあり目立ちにくいデザインの服だった。


「これにします!」


陽葵も、納得したらしくこの服に決めた。


「でしたら、採寸しますのでそちらをお脱ぎください。」


いよいよ来た。

このマントを脱ぐときが、

あのお面をつけていることは知っているがもし効果がなかったらバレた瞬間自分たちの人生は終わる。


みんなは、お店の人に気づかれないようにそっと司の方へ視線を集めた。


「わかった」


偉そうな言葉を言い放ったあと、

司は躊躇うことなくフードを外した。


バサッ


「あら、」

ここまで読んでくださってありがとうございます。次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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