251.穴の向こうには〜あの人だったの!〜
「よし!」
「もうすぐで着くな!」
10人はなんの問題もなく城の近くまで歩いてきた。
「おっ!」
「あれか?」
直人が、指さす方には司の言っていた通り
塀の一部に人が1人入れるだけの大きさが空いた穴があった。
「なんだ、」
「意外と今回はすんなり行きそうだな!」
直人がそんな呑気なことを言いながら穴の方へと歩いていった。
「もう、」
「緊張感ないな」
そういいながらもついて行く9人だった。
「じゃあ行くぜ」
直人が穴の傍まで行き跨った。
「えっ?」
「おい!」
城の中に入った直人が、変なことを叫び始めた。
「直人!?」
そんな声を聞いて慌てて8人も穴をまたがった。
「おい、」
「こっちに来ちゃだめ!」
直人の注意も遅く8人は入ってきてしまっていた。
「う、そ」
そんな8人が見た光景は
「くそっ、」
「離せよ!!」
直人が翼の騎士団に捕まっているところだった。
見つからないと司がわざわざ教えてくれた場所なのに。
「あなたたちは本当におバカさんですね。」
「あなた、あの路地の時の」
陽葵は、ボソッと呟いた。
「それって、私たちが服屋を訪れた帰りに追いかけられた時の?」
「うん」
そういえばそんなことがあった。
何分も走って結局追いつかれて。
でも、なんであのとき無事に帰れたんだっけ?
「あの時は、一瞬のことで分かりませんでしたが」
「マントの少女はあなただったんですね。」
「王女様」
男の言葉で思い出した。
そういえば全く知らない女の人が上から助けてくれたんだ。
「って、あれ陽葵だったの!」
まさかの事実
「やっばりバレてたか」
「さすがに危なすぎて」
「でも、バレたくなかったから隠してたんだよね」
「そうだったんだ。」
「ありがとうね。」
蛍は、ニコッと笑いながら言った。
「そんな危機感がなくていいんですか?」
「仮にも今あなたたちは、捕まっているのに」
「あっ、」
「今、あって言いました?」
「本当にこの人危機感大丈夫ですか?」
男は引くような目でこちらを見てきた。
「まぁ、そんなことができるのも今のうちですけどね。」
「何が言いたい?」
陽葵は、男の発言に顔を顰めた。
「それは、ご本人に説明してもらいましょうか。」
「ねぇ、勇者様」
男は9人の後ろを見ながら言った。
「その呼び方はやめろ」
「...司?」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




