250.不安な気持ちの時は
「やだ、」
「楓がそんなこと言うなんて、」
「成長したねぇ」
花は、楓の気遣いの言葉を聞いて
近所のおばさんにでもなったようにバシバシと楓の背中を殴っていた。
「い、痛」
-バシバシ!!
「だから、痛てぇよ!」
「あぁ、ごめんごめん」
「もう何やってんのそこの2人は」
蛍は呆れながら言った。
「瑞稀大丈夫か?」
ずっと静かに下を向いていた瑞稀を気にかけたのは健一だった。
「うん」
「でも、ちょっと不安でさ」
「もし、僕のせいで失敗したら」
瑞稀は、何故か消極的になりすぎていた。
「大丈夫だ!」
「そんな根拠もなく言われても」
「確かに成功する根拠もないけど」
「失敗する根拠もないだろ?」
健一は、イケメンスマイルで
「だったら、成功するほうを信じればいいんだよ。」
「健一」
「なんで、君がモテるかわかった気がするよ。」
「えっ?」
「でも、ありがとう」
「そうだね、僕の全力を見せるよ。」
──────
「そろそろ着きそうだね。」
そういいながら10人は城の後ろ側にある森の中を歩いていた。
「てか、城の塀に穴が空いてるって」
「やばくないか?」
そう、何故わざわざこんなところから向かってるかと言うと
司の作戦で城の中に入るにあたって、正面から入るバカもこんな日中で塀を飛び越えるバカもいないと言われ
昔から塀の一角に、人1人通り抜けられるほどの穴があると教えてくれたのだ。
そして、その穴の近くにエレベーターのようなあれがあるのだ。
なんと都合の良い話があったものか!
「なんか、怪しい気もすが」
「司の言うことだしな。」
「安全だろ。」
「なっ!」
直人が司に問いかけたが、
「...」
「?」
返事は返ってこない。
「司」
陽葵も、そのことに気づいて声をかけた。
「うん?」
「直人が話しかけてるじゃん」
「ああそうか」
「なんだ。」
「なんか、お前今日変だぞ?」
「そんなことは無いだろ」
いや、明らかにおかしい。
心ここに在らずみたいな。
意識が、どこか違うところに集中しているような。
「まっ、」
「俺らの勇者様は、優秀だからな」
「頼りにしてるぞ!」
「...あぁ」
──────
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




