242.晴日さんの過去
「俺は、本当の両親を知らないんだ。」
「両親は、俺が産まれたばかりの頃」
「教会の前に捨てたんだ。」
話の内容は結構な重さなのに
晴日さんの、話し方は椿さんと違い
平面的で他人の話をしているかのようだった。
「それから、俺は教会のみんなに世話になったんだ。」
「小さくて貧しい子供1人育てるのも」
「やっとな場所だったけどな。」
晴日さんは、そういいながらも
今度は笑顔を見せていた。
「そんなことが、」
「でも、そんな時間も長くは続かなかった。」
晴日さんの表情は再び消えた。
「千国王が、俺たちの教会に目をつけたんだ。」
「なんで、」
晴日さんが、さっき言った通りだとすれば
その教会にそれほどの脅威を感じることもないのに。
「俺たちの教会が信仰していた神はルミナだったんだ。」
「なるほど」
「あの人なら、やりかねませんね。」
今の話の流れについていけている陽葵は、納得した。
「?」
「あの、そのルミナ?っていう神様と千国王が」
「晴日さんの教会を襲った理由はなんの繋がりがあるんですか?」
夢描は、そう聞いた。
「すまなかった」
「ルミナは、人類に光魔法を与えたとされる」
「神だ。」
「...」
「なるほど!」
風華は、今の説明でわかったらしい。
「えっ、」
「私全然分からないんだけど」
夢描は、そんな風華を見て分からない自分に焦っていた。
「ルミナは、言わば光の神」
「そして、俺たちの教会はルミナの信者」
「だが、千国王はそれをよく思っていなかった。」
「あぁ!」
「わかりました!」
夢描は、ようやく理解したらしい。
「千国王の固有魔法は呪。」
「そして、それに唯一勝てるのは光魔法のみ」
「言わばルミナは千国王の敵」
「だから、晴日さんの教会に目をつけた!」
夢描が、推理を解くように説明をした。
「ご名答」
「俺たちは、ルミナを信仰することをしつこく忠告された。」
「でも、1つの神を信じたものがそう簡単に辞められるわけがなかった。」
「だから、千国王は俺たちの教会に兵をやったんだ。」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




