241.椿さんの過去
「って、」
「すいません私ずっと話が脱線してますね。」
陽葵は、熱くなりすぎた自分に少し恥ずかしそうに謝った。
「いいえ」
「王女様がこの戦いをどれだけのものだと感じていらっしゃるのか」
「わかりました。」
「ありがとうございます。」
「そして、やはり私たちは王女様一向に」
「協力します。」
「なんで、」
「簡単に言うと」
「目的が一致したから」
「私たちも、千国王にずっと頭を抱えていましたからね。」
凛さんは、そう言った。
「それに、いいえこれは私が言うべきことではないですね。」
「?」
──────
「そして、この2人にも協力してもらうことになりました。」
凛さんは、そう言って椿さんと晴日さんの方を向いた。
「でも、2人って」
「あぁ、翼の騎士団だ。」
晴日さんが、口を開いた。
「じゃあなんで、こちら側に?」
当然の質問だ。
もし、2人が騎士であっても
下っ端なら千国王に対する敬意が浅かったら
少しの疑問でこちら側に来ることもあるだろうが
2人は団長だ。
「なんで、私たちが?」
「って思ってんだろ!」
「それは、簡単なこった!」
「元々私たちがあちら側の人間じゃなかったってことだよ!」
椿さんは、大雑把に笑いながらそう説明した。
「はぁ、」
「俺たちは、元々千国王を倒すために」
「翼の騎士団に入ったんだ。」
今、晴日さん絶対椿さんに対してため息ついたよな。
「それってつまり」
「おふたりは最初から裏切るつもりだったんですね。」
「そうなるな。」
晴日さんは、頷いた。
「そうなった理由を聞いてもいいですか?」
陽葵は、ためらいながらも聞いた。
過去の話を人にする嫌さは自分がよく知っているからだろう。
「別にそう申し訳なさそうにしなくてもいい!」
「私たちは、天龍様たちに話すつもりだったしな!」
そんなことを察して椿さんが、陽葵の肩を強く叩いた。
「い、痛いです」
───────
「私は、昔貴族でな」
「先代の頃に運良く鉱山を多く見つけたことで」
「地位を確立したんだ。」
「それが、私の父の代の時に」
「千国王が、無理やりにその鉱山を奪ったんだ。」
「なんで、そんなことを?」
「千国王はね」
「宝石に目がないんだ。」
「私たちの、保持していた鉱山をそういったものが多く取れたから」
そういえば、鉄を取るために鉱山を訪れた時
宝石を取りすぎてキラゴの数が著しく減った時期があったと聞いたことがあった。
そこに今回のことが繋がっていたとは
「その後私の両親や兄弟はよっぽど地位を取られるのが嫌だったみたいでね。」
「精神をやられてね」
「もう、この世にはいないんだ。」
「そうだったんですね。」
どんなにいやでも王様の命令に従わなければいけないのは貴族の勤め
それにしても酷すぎる。
自分の傲慢のために一家を潰す。
外道な考え方だ。
「俺も似たような感じだ。」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




