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233/255

233.ふ、風華さん?

「ここも行きたぁーい」


今日は、久しぶり市場で買い物に来ていた。

先頭を切っているのは風華だった。


「もう、」

「風華?今日は遊びに来たんじゃないんだからね?」


陽葵は、呆れながら言った。


市場に来た理由は、慎さんの代わりに夜ご飯の買い出しに来ていた。


「分かってるよぅ!」

「でも、可愛いお洋服見たいんだもん!」


相変わらずのぶりっ子さは今も尚だ。


「おしゃれか」

「私そんなのよく分かんないな」

「誰かのを考えるのは好きだけど自分となるとねぇ」


一緒に着いてきた夢描が、少し恥ずかしそうに言った。


それを聞いて風華は、キョトンとした顔を見せながら。


「そんなの?」

「風華が思うに、夢描のセンスいいから」

「めっちゃ好きなんだけどぉ」


「そ、そう?」


「うん」

「風華ぁ、いつも可愛いフリフリ系のお洋服選びやすいからァ」

「夢描の可愛いとおしゃれのバランスいいなってめっちゃ思うぅ、」


「ありがとう。」


風華は、喋り方こそ鼻につくけど

自分の思ったことを相手に傷つけずに素直に言えるところがみんなに好かれているポイントなのだろう。


「これかわいい」

「お揃いにしよぉ」


──────

それから、数時間が経った。


「風華と買い物すると予定と倍の時間がかかるのは気のせい?」


陽葵と、夢描は歩き疲れてヘトヘトだった。


「えぇ〜」

「そんなことないよぉ」


風華は、ウルウルな目をさせながら陽葵を見つめ

陽葵が、諦めのため息を着いた瞬間


「きゃぁぁぁ!」


近くから悲鳴が聞こえた。


「ひったくりよ!」

「誰か止めてください!」


必死にそう叫んでいたのはお婆さんだった。


ひったくりをしたと思われる顔を隠した男の人がこちらに近づいてくる。


「ど、どうしよう」


夢描は、あまりにも体格の違いすぎる相手に怯んでしまった。


陽葵は、助けようとしていたがそれよりも先に前に出たものがいた。


「このやろ!」


「え?」


―バゴォーン


「ぐはぁ、」


怒鳴り声とともに激しい音が市場全体に広がった。


一瞬のことすぎて周りの人は何が起こったか分からず少しみんなが動き出すまでにラグが生じた。


「風華!?」


何が起こったか説明をすると。


1、ひったくりがこちらへ来る


2、それを倒そうと陽葵が前へ出ようとするがそのまえに大声を上げて風華が前に出ていく。


3、そして速度を落とさず走ってくるひったくりの腕を掴み相手の勢いを利用し地面めがけて思いっきり振り下ろした。


...いやどういうこと?


「ちょっ、」


陽葵は、風華の目立ちすぎている行動で辺りを見ながら近づいた。


「おい、」


だが、残念ながらその声を届いていないようだった。

なんなら、ひったくりの胸ぐらを掴みながら何かを言っている。


「お前さ」

「人生の先輩に何してんだよ?」

「もし、怪我されてたらどうすんだ?」

「あァ!?」


これは、本当に風華か?

さっきまでの可愛さ全振りの喋り方は?


今は、ふうか♡よりも〝風華さん〟みたいだぞ?


「おい!」

「その荷物お婆さんに返して」

「怪我をされているかもしれねぇから」

「お前の今持ってるお金全部お婆さんに渡せぇや」


風華は、力ずくで相手を頷かさせ

ひったくりは、震える足でお婆さんに近づき何も言わずに返した。


「おい!」

「お前は、謝ることも出来んのか?」


「ひぃ、」

「す、すいませんでした。」


ひったくりは、土下座をして謝った。


そのあと、何とかひったくりは警察に捕まり

一件落着となった。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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