230.血は抗えない?
「おやめなさい!」
そう弥琴さんが叫んだ。
その言葉を聞いて思わず司は、動きをとめ
男は、弥琴さんの方を見た。
「どうか、剣をお納めください」
弥琴さんは、司にそう言って頭を下げた。
「司、」
陽葵も、静かにそう言った。
司も、さすがにやりすぎたと考えたのか大人しく剣をしまった。
「あんた、」
「言葉がすぎるよ。」
司が、もう攻撃して来ないことを確認したあと
弥琴さんは、男にそう強く言った。
「なんで、俺がそんなことを言われなきゃいけない!」
男は、弥琴さんの言葉を聞いてもなお
怒りは落ち着いていなかった。
「王族はいつも俺たちの存在なんて」
「気にしようともしなかった。」
「俺だって、家族がいたのに」
「その家族にまで捨てられたんだぞ!」
男が、ここまで怒る理由が分かった。
陽葵自身に怒っているのではなく
王族という立場が憎らしいのだろう。
「それなのに、今になってのこのこと」
「笑いものにするのもいい加減にしろよ!」
男は、止まることを知らずどんどんと怒りは募っていくばかりだった。
「本当に申し訳ありませんでした。」
陽葵は、ただただ謝るしか無かった。
きっと、陽葵はこのことを知らなかったのだろう。
でも、立場上国民を守るのが王族だ。
陽葵は、そのことを十分すぎるほど感じているはずだ。
「どうせ、」
「今回助けたから見返りを求めるだろ?」
「なんだよ。」
「内臓か?それと、奴隷のようになれと?」
男は、目を見開き挑発を繰り返した。
「...」
それでも、陽葵は怒らず
目をそらすことなくただ見つめていた。
「おじさん」
「それは、違うと思うぞ」
後ろから、急に声がした。
「...律くん」
そう、きっと跡を継いてきたのだろう。
律がそこにたっていた。
「なんで律がこいつの味方に着くんだ?」
「お前だって王族は嫌いだろ?」
男は、驚いたように律に問かけた。
「律この人と知り合いなの?」
花は、男の人と律が明らかに面識がありそうで律に質問をした。
「この人は、そうさんだよ。」
「ここの、通りを管理してる人だよ。」
律は、そう答えた。
「おい、律」
そうは、律に強く言った。
「俺は、今でも王族を心底憎んでる」
「母さんのこともあるからな」
律は、そんなそうにも落ち着いて答えた。
「じゃあなんでそいつの肩を持つんだ?」
「こいつは、王族なんかじゃない。」
律は、そう自信を持っていった。
「何を言ってるんだ?笑」
「こいつの血にはしっかりとあの国王の血がながれているんだぞ!」
「っ、」
陽葵は、その言葉を聞いて深く傷ついた顔をした。
「それがなんだ?」
「なんだって!」
「国王と似て小賢し手を使って俺たちに危険なことをさせる気だ!」
そうは、一瞬律の怯まない立ち振る舞いに腰を抜かした。
「さっきからおじさん」
「ずっとそんなこと言ってるけど」
「それが本当である証拠でもあんのか?」
律の口調がどんどん悪くなっている気がする。
「そ、それは」
そうは、目を泳がせ何も言わなくなった。
「ないんだよな?」
「俺は、あるぜ?」
「こいつが国王と違うと言えるところが」
律は、そう言って続けた。
「こいつは、俺の母さんの呪いを解いてくれた」
「誰にもそのことをずっと話さず」
「おじさんが言う通りなら」
「わざわざ誰にも言わないなんてそんな馬鹿なことしないよな。」
「ばか!?」
陽葵は、思わず声を出してしまった。
「それは、本当なのか?」
そうは、信じられなかった。
「えぇ」
「本当ですよ。」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
何度も投稿時間が遅れてしまい申し訳ございません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




