228.国民のために
「えっとね、」
陽葵は、どうにか弁解しようとしたが
うん
無理だろう。
「そうなんだよね」
「ずっと黙っててごめんね。」
「そ、そんなの」
律は、下を向きながら何か言いたげにしていた。
「律くん、」
陽葵は、騙していたことに胸を痛めてしまった。
前、司が勇者であることを話した時に
王族であることを嫌っていたから。
きっと、陽葵のことも、
そんなことを考えているのだろう。
「お、俺は」
「おい!」
「陽葵早く来てくれ!」
律がなにか言おうとした瞬間
一が思いっきに扉を開けて叫んだ。
「一さん?」
「なんでここが」
陽葵は、急いで玄関の方へ走った。
「ここを知ってる人に聞いたんだよ。」
「それよりも早く!」
「婆さんがやばそうなんだ!」
一は、今までにないほどに焦っていた。
「分かりました!」
陽葵も、そんな一を見て察したらしく急いで靴を履き
初めの案内のままついて行った。
「ちょっ、」
花たちも、後ろに着いてきた。
「ここだ!」
初めが案内したところには
10人ほどが具合が悪そうに頭を抑えたり
口元を抑えたり
寝っ転がるしかできないものと様々だった。
「婆さん!」
一は、1人の老人のそばに駆け寄った。
「あなたは、」
「婆さんがこんなかでいちばん酷いんだ。」
「呼吸も上手くできなそうで」
「ずっと苦しそうに喉を抑えてるんだ。」
老人の、口からは
ヒューヒューと弱い息しか出ていない。
どう見てもやばい。
早急に呪いをとかないと取り返しのつかないことになってしまう。
「わかりました。」
「でも、1人づつでは時間がかかりますので」
「一気にします!」
陽葵は、みんなに呪いにかかった人から離れるように指示をし。
みんなが、離れたのを確認したあと
両手を前に突き出し唱えた。
「光魔法」
「天龍の救出」
さっきと同じ唱え
だが、明らかに違うところがあった。
光の粒の数だ。
さっきは一つだけだったのに今回は10個
どうやらあの粒一つで呪いを溶けられるのは1人までなのだろう。
呪いにかかった人は
近づいてくる光に怯えて逃げようとしていた。
「大丈夫。」
陽葵は、そう優しく言った。
優しいがどこか芯の通ったような声。
「...」
呪いにかかった人は陽葵のその声を聞いて
怯えることをやめ
光の粒が体に触れることを拒まなかった。
ぽわぁん
光は優しく体を包んだ。
「暖かい」
誰かがそう呟いた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿時間が遅れてしまい申し訳ございません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




