226.呪いに勝てるのは光だけ
「へぇソルが」
4人は帰ってきてからソルがドラゴンを倒し
助けてくれたことを話した。
「そうなの!」
「ソルは天才よね!」
何故か、花が自慢げに話している
ソルは、きっと意味は分かっていないのだろうが
嬉しそうに目をつぶり体を振っていた。
「そいつが龍か!」
「一さん!」
「来てたんですね。」
今日はみんなの武器のメンテナンスで一さんが来ていた。
雑な扱いはしていないから
壊れはしていないが専門家にしか分からないことがあるかもしれないと一さんが月に1度来てくれているのだ。
「今回も、みんなの武器に異常なところは」
「見つからなかったぞ!」
一さんは、そう言った。
「そうですか!」
「ありがとうございます!」
陽葵は、お礼をした。
「それじゃあ俺はそろそろお暇しようかね。」
一は、そう言ってそうそうに帰ろうとした。
「何か急な用事でもあるんですか?」
いつもだったら
お茶を飲んだり
みんなと会話をするのに今日はやけに帰ろうとする。
「いやぁ」
「実はさ」
──────
「えっ!」
「呪縁通りで謎の呪いが流行ってる!?」
陽葵は、大きな声を出した。
「あぁ、そうなんだよ」
「俺の近所の婆さんも呪いにかかっちまって」
「少し心配でな。」
だから、早く帰ろうとしていたのか。
「そんなことが」
陽葵も、さすがに現在の国の状況の全てを把握出来ている訳では無いが
「み、んな大丈夫かな。」
花が、青ざめた顔で言った。
「花、」
花の家族も呪縁通りに住んでいる。
もしかしたら、前みたいに呪いをかけられていたら。
そう考えると冷静ではないだろう。
「よし!」
陽葵が、何かを思い立ったように声を発し
花の方を見ながら
「行こっか!」
「呪縁通り!」
そう言った。
花は、躊躇いたがら小さく頷いた。
──────
「じゃあ行ってきます。」
陽葵達は、急いで準備をして呪縁通りへと向かった。
メンバーは、陽葵と花、司、りか、夢描、一だ。
りかは、もし怪我をしている人がいたら治癒をするため。
夢描は、一応のためにだ。
──────
「ここよね。」
最近は忙しくて来れなくなっていたから
ここに来るのは久しぶりだ。
「これは、」
以前と比べても明らかに
ここだけ空気が重い。
「嫌な魔力も感じる。」
陽葵は、苦しそうな表情を見せながら話した。
「大丈夫か?」
司は、心配そうに言ったが
陽葵は、ごめん大丈夫と行って通りの中へと進んで行った。
「呪いが現れたのはいつぐらいですか?」
陽葵は、一に質問をした。
「天契祭の後だよ」
「最初はここまで酷くなかったんだが」
「日にちを重ねるほど呪いが強くなってきてな。」
「そうですか。」
陽葵は、街の人の様子を見ていた。
「酷いですね。」
街の人は、以前からやせ細り活気に溢れると感じることはなかったが
今はそれ以上に酷い。
体型は変わっていなくても目には光がなく
ブツブツと何かをずっと話しているのか
なにかに耐えるために紛らわしているのか
かすれる声がここには広がっていた。
「お母さん」
花も、この場面を見て余計に心配になってしまった。
花のお母さんは以前長い間呪いにかかっていたから
また呪いにかかっていたらまずい状態かもしれない。
花は、無我夢中で家へ走った。
「花!」
一に、呪いにかかった国民を1箇所に集めるようにお願いをしてから陽葵達も花のあとを追った。
「はあ、はあ」
「花落ち着いて」
花の家の前でようやく追いつくことができた。
花は、ドアノブを握ったたまその手をひねることが出来なかった。
「花、大丈夫」
陽葵は、そう優しく声をかけて
ドアノブを回した。
ガチャ
扉が開いた瞬間感じたのは
嫌な程の魔力だった。
「っ、」
きっと、この中にも呪いにかかったものがいる。
そう思わざるおえないほどの濃さ。
「姉ちゃん!」
開いたドアの音に気づいて来たのは
陸だった。
「陸!」
花は、靴を脱ぐなど忘れて陸に抱きついた。
「良かった無事だったのね。」
花は、力の抜けた声をしながら言った。
「俺はね」
陸は、静かに答えた。
「誰か呪いにかかったの!」
陸の言葉を聞いて花はますます不安が増してしまった。
「...」
「咲菜が」
陸はそれだけ言って咲菜が寝ている部屋に連れていってくれた。
「花!」
そこには、咲菜を看病しているお母さんと律がいた。
「ごめん」
「全然帰れなくてこんなことになってるとは知らなかった。」
花は、そう言って頭を下げた。
「花私たちに頭を下げる必要はないわよ」
お母さんは、優しくそう言った。
「咲菜は、咲菜は大丈夫なの、」
花は、これまで感じていた不安が涙となって溢れ出てきてしまった。
「分からない。」
「ただ、これは私の時と同じで」
「怪我ではなく呪いであることは分かるわ。」
息が荒く苦しそうな咲菜の手をお母さんは強く握りしめながら言った。
「そんな、」
「呪いは私には直せない。」
りかは、前と同じ状況になり悔しそうにしていた。
「みんな、大丈夫」
陽葵は、またその言葉を口にした。
「えっ?」
「呪いに勝てるの光だけ。」
陽葵は、そう言った。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




