220.最初の面を作った人は
「あれは、妻が作ったものです。」
慎さんは、そう口にした。
八重さんが幻想の面を作ったと言うことは
「八重さんも幻想魔法が使えたってことですか?」
そうなる。
「そうですね。」
「八重は、身分が上だったこともありますが」
「派生魔法の持ち主だったので天龍様の乳母に命をうけたのですよ。」
そうだったのか。
「私も、牢屋にいた時本とか勉強道具とかこっそり」
「幻想魔法で兵の変装した八重が持ってきてくれたの。」
陽葵が、懐かしそうに言った。
勉強をしたいだけ出来た裏には八重さんがいたというわけか。
「でも、八重さんと陽葵は全く同じ幻想魔法が使えるんでしょ?」
「なんで?」
派生魔法は、慎さんのようにある一定の少ない人数に出ることはあっても
幻想魔法なんてどこの本にも載っていなかった。
珍しいものではないのだろうか。
なのに、そんな近くで2人も同じ魔法が出るのか?
「それは、」
陽葵は、一瞬考えながら黙ってしまった。
「別に、そんなこともあるだろ。」
「お前は、この世界の全ての知識が入ってる訳でもない。」
「全てが、おかしく思うのはお前らの勉強不足なだけだ。」
司は、冷静に言った。
だが、確かにそうかもしれない。
私たちが、知らないだけでこの世界には全て答えがあるのかもしれない。
「それならさ、陽葵が使える固有魔法教えてよ!」
夢描が、言った。
今まで何となく聞いてこなかったけど私たちは、陽葵の固有魔法を知らない。
「えっとね」
「言ったことがあるのは」
「光魔法と風魔法、幻想魔法でしょ?」
陽葵は、淡々と言っているが
3つの中で2つ派生魔法だし色々レベルの差を感じる。
でも、そんなことを言ったら決まってそんなことないとか言うから。
「ほかは?」
「あとは、元素魔法全部使えるよ!」
「まじかよ」
もう、リアクションにも困ってしまう。
何がなんでも偏りすぎでは?
そんなことをみんな考えていた。
「ふぅ、」
陽葵は、肩で息をした。
「陽葵大丈夫か?」
司が声をかけたが
どこか、疲れているような
顔色もあまり良くない。
「ごめん少し寝てきてもいいかな?」
陽葵は、無理やり笑顔を作り自室へと帰ってしまった。
ここに来て2年ぐらい陽葵は、一年に6回ぐらい具合が悪くなり3日ぐらい部屋から出てこないことも少なくなかった。
「体が弱いって噂嘘じゃなかったのか。」
その度に、陽葵は大丈夫と強がり弱音などは一切はかない。
「...」
司も、この時は深く詮索しないから
大丈夫なのだろうけど
そんなことに気を取られてみんなは気づいていなかったのだ。
陽葵が使える固有魔法の数は7つ
でも、陽葵が教えてくれた固有魔法は光魔法、幻想魔法、元素魔法の4つ
計6つで
一つだけまだみんなに陽葵が話していない固有魔法があること。
そして、その魔法を陽葵は言えないことも
みんなはまだ知る由もなかった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




