219.龍の名前
「じゃあ帰ろっか」
3年B組は、予想していなかった新たな仲間が加わり慎さんの家へと帰ることになった。
「きゅー」
龍は、自分が一緒にいても良いと分かったのか
楓の腕から抜けゆうゆうと飛んでいる。
それにしても不思議なものだ。
翼らしきものはないのに飛べているなんて。
「良かった飛べるんだな。」
楓は、龍が飛んでいる姿を見てホッとしていた。
「楓は、龍に対しては優しんだな。」
直人が、目を細めて楓に言った。
楓は、直人に顔を一切向けず。
「俺だって人の心はある。」
「優しいやつには優しくなる。」
「おい!」
「まるで、おれらが優しくないみたいないいようじゃねぇか!」
「そう言っているのだが?」
楓は、相変わらずだな。
「それよりも、この子に名前付けなきゃね。」
柚は、会話の流れを変えるために龍のことを見ながら言った。
「ここには、龍ってつく名前の人が2人もいるから。」
そう言えば、司も陽葵も本当の名前には龍がつく。
まるで、龍と出会ったのが決まっていたかのような。
「名前は、楓が決めれば?」
「この子を見つけたのも楓だしね。」
陽葵が、提案し楓も静かに頷いた。
楓は、少し悩んだあと
龍の方を見て少し口角を上げ
「ソル」
そう名前を口にした。
「ラテン語で太陽だ。」
「こいつは俺の太陽みたいなやつだからな。」
「きゅー!!」
楓の名前に反対するものはいなかった。
本人も嬉しそうに楓の周りを飛んでいる。
楓は、頑なにソルと出会った経緯を話してくれないが
ソルと出会ったことで楓は確実に成長していった。
良い方向へ
その成長をみんなが知るのはもう少し先のこと。
──────
シュン、
陽葵達は、来た時と同じ魔法陣で帰った。
みんなは、帰るなり力が抜けたように座ってしまった。
「おやおや」
「おかえりなさい」
慎さんは、みんなが帰ってきたことに気付き
迎えに来てくれた。
「ただいまぁ、」
「おや?」
「その子は一体?」
慎さんには、ソルのことを詳しく話
ここで育てても良いことになった。
「神獣が、人間に育てられるなど聞いたことがありませんが」
「神獣は、神が創ったもの」
「きっと、この出会いも神のお導きなのでしょう。」
「そうですね。」
きっと、この出会いは意味のあるもの。
みんなは、ソルを大切に育てることを決めた。
神獣のご飯は魔素らしく陽葵を中心としてあげることになった。
ソルの寝る部屋は、1番懐いている楓の部屋となった。
「よし、これで諸々のソルに対してのことは決まったな。」
直人は、そう言って腰を下ろした。
「そう言えば」
「話変わるんだけどさ。」
花も同じように、腰を下ろして話した。
「一番最初に慎さんが司にあげた幻想の面も陽葵が作ったものなの?」
そう言えばそんなこともあった。
初めて、服屋に行く時にバレてはいけないと慎さんが司に幻想の面を渡したことがあった。
「ああ」
「それは、」
陽葵は、花の質問に答えにくそうにしていた。
「あれは、私の妻が作ったものですよ。」
それを察し慎さんが、代わりに答えた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
何度も何度も投稿時間が遅れてしまい申し訳ありません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




