207.呪い
「いやいや待て待て」
「光魔法って珍しいんだろ?」
「みたいだね」
陽葵は、他人ごとのように言った。
「みたいだねじゃないよ!」
「えっ!」
「陽葵使えんの?」
透が、興奮気味に言った。
「うん」
「しかも、1番扱いやすいの」
陽葵は、サラッとすごいことを言った。
陽葵が、光魔法を使えるのであれば
こちらには呪魔法と光魔法の使いがいることになる。
「どんだけレベチなの」
「陽葵、」
すごすぎて引くレベルだ。
「そんなことないよ」
ここにきても陽葵は、自分の力を認めない。
「私だけの力じゃないしさ」
「多分」
「ん?」
「陽葵それっ」
「じゃあ2人に光魔法をかけるよ!」
空の質問を遮るかのように
陽葵は、言った。
「光魔法」
「聖光」
陽葵が、2人の方に腕を伸ばし唱えた。
その瞬間陽葵の目が緑色に輝き
手の先からは眩いほどの光が2人に向かって注がれた。
「うっ、」
花は、その光に体が触れた瞬間
頭を抑え苦しみ始めた。
「陽葵」
「あれ、大丈夫なの?」
その、様子を見てみんなは不安のそうにしていた。
「大丈夫」
「今、2人は呪と光がぶつかってるから」
「少し苦しいだけ」
「多分、呪がかかって10年以上過ぎてるはずだから」
「今は、これぐらいの光でも勝てるはず。」
陽葵は、丁寧に今起きていることを説明してくれたが
残念ながらほとんど理解できなかった。
でも、何となく陽葵の行動は正しいと感じることができた。
「うっ、」
なかなか苦しみから2人が解放されない。
「...」
「2人とも頑張って」
陽葵は、そう呟くしか無かった。
──────
「う、」
「...」
―パタン
ようやく、2人とも動きが止まり
その場に倒れ込んでしまった。
「ふぅ、」
陽葵は、無事に終わったことに安堵したのか
かいた汗を拭った。
「う、うん?」
花は、ゆっくりと目を開き
自分が何をしていたのか分からない様子で辺りを見渡した。
「大丈夫花?」
「花と慎さんは今」
「あの」
「国王の呪いで大変なことになってたんだよ?」
陽葵が、そう言った。
「えっ!」
「私いつの間に呪いかけられてたの?」
そう、それが一番の謎だ。
まだ、2人だけなら
王族の関わりが少しあるから呪いをかけられるタイミングがあったかもしれない。
でも、国民全員となると話が変わる。
陽葵が、脱出を試みた時間に兵士もいないとすると
兵士もこの呪いにかけれているから城の中にいなかったのではないか?
考えれば考えるほど謎だ。
「それは、」
「みんな、6歳の時に洗礼の儀を教会で行うでしょ?」
「ええ」
「法律で決まってるからね」
「それを受けるのに身分は関係ないみたいなやつでしょ?」
「現国王が即位されてから」
「出来たやつ」
「そう、」
「でも、その身分関係ないってのが変なのよ」
「あの人は、身分に強いこだわりを持つのに」
「それに、即位よりも前に6歳を迎えた人も」
「日時を決めて数人ずつやってたし」
「そんな面倒なことあと人がしたがると思えない。」
「じゃあ」
「洗礼の儀って、」
「表向きは6歳になったお祝いをすることだけで」
「裏では国民に国王の呪いをかけるための儀式なんだと思う。」
「自分の利益になることしかしないからね」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿時間が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




