206.『国王陛下、バンザイ』
─シュンッ
「うわっ!」
みんなは、陽葵の言った通りに魔法陣に魔力を流した。
その後、体は少し宙に浮き外へと飛んだ。
「すごいね!」
やっぱり空間魔法は何回やっても
不思議な体験だ。
「ここって、」
「森の中?」
「あぁ」
「慎の家の近くだな。」
司がどこかに目線を向けて言った。
その方向を見ると
見覚えのある岩がぽつんとあった。
「慎さんの家のもうひとつの入口!」
転移先はここだったのか。
「それにしても陽葵遅いね?」
みんなは、何となく
陽葵が来るのを待っていた。
「陽葵どこまでいったのかな?」
そんな話をしていた時だった。
─ゴーン ゴーン
さっきまで居た城の方から
鐘が2回なる音が聞こえた。
「始まった。」
花がその音を聞いてボソッと言った。
花は、当たり前のことのように祈りを捧げる行為をした。
「花?」
そういえば、ポスターの話をした時
鐘が2回なった時
国民は絶対に祈りを捧げなければ行けないと
花が言っていた。
「これなんだね」
ほとんどはここの国民じゃないから
しなくてもいいか?
「国王陛下」
「バンザイ」
「国王陛下」
「バンザイ」
「花?」
花は、突然そんなことを言った。
肩を揺らしてもと止まらない。
よく見れば目を見開いて視点が定まっていなかった。
「慎さん!?」
柚の必死な声がどこからか聞こえた。
「柚どうした?」
悟が駆け足で柚に近づいて行った。
「花の様子が変だから」
「慎さんに助けてもらおうと思って」
「外に出たら」
「こうなっちゃって」
「国王陛下」
「バンザイ」
「国王陛下」
「バンザイ」
花と全く同じことが
慎さんにも起きていた。
一体何が起きているのか。
その2人はこの国の国民だからこんなことが起きているのか?
でも、司にはそんな変なことは起きてない。
ならこれは一体。
─シュン
「ああ」
「やっぱり」
「陽葵!」
陽葵がようやくきた。
「やっぱりって」
「陽葵は、心当たりがあるの?」
空が、言った。
「うん」
「これはね」
「あの人の仕業だね。」
陽葵の言うあの人は千国王をさすのだろうな。
「でも、なんでこの2人なの?」
「いいや」
「この2人だけじゃないよ」
「この街のほとんどが」
「こんな感じになってるよ」
「でも、司は?」
司はいつも通りの仏頂面をかましている。
「司は、王族だから?」
「勇者だから?」
「司は異例すぎて分かんない」
「その1つにお前も当てはまるけどな。」
蓮が、言った。
「じゃあ」
「花と慎さんは、いつ治るの?」
「あと数分したら治ると思うけど」
「それだとちょっと良くないから」
「私が止めるよ」
聞きたいことは沢山あるけど
ここはまず、2人を助けるのが先だろう。
「助けるって」
「どうやって?」
「声をかけても体を揺すってもダメだったよ?」
「そんなんじゃ」
「ダメだよ」
「2人はあの人の呪いにかかってるんだから」
「その呪いを取り除くには」
「呪魔法と対立する魔法」
「光魔法を」
「2人にかければいい。」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿時間が遅れてしまい申し訳ありません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




