202.謎だらけの人物
「そうだよ」
「司って天龍様のこと苦手じゃないの?」
夢描が、言った。
「様つけなくていいから」
「なんか、遠い存在みたいで嫌じゃん」
陽葵が、目を細めて怒った表情を見せた。
「お前らは、今までの俺たちを見てきたのに」
「分からないのか?」
「全部演技だよ」
司は、なんでわざわざ鼻につくような言い方しかできないのだろうか。
「ちょっと龍!」
陽葵は、いつも通り注意をした。
「私たちの、作戦には」
「私と龍が仲良くないと周りに思わせた方が」
「都合がいいからね。」
「そうなんだ。」
「ずっと騙されてたよ。」
空が、感心してしまった。
「だから、司」
「天龍の話をする時」
「顔そっぽ向けてたの?」
「えっ?」
「そうなの?」
陽葵も、そのことは知らなかったらしい。
「だって、」
「別にどうでもいいだろ!」
恥ずかしいのか司は顔を真っ赤にしながらそっぽ向いてしまった。
──────
「でも、驚きだよ」
「まだ信じられないもんね」
「騙しててごめんね。」
陽葵は、申し訳なさそうに言った。
「別にいいよ」
「性格も声も一緒だから」
「でも、陽葵っていう存在はなかったのか。」
そう思うと不思議だな。
「だからか!」
空はいきなり大きな声を出した。
「びっくりした」
「どうしたの?」
「ステータス!」
「陽葵のステータスだけ」
「ずっとバグで見れなかったじゃん」
「あれ、私ずっと謎だったんだけど」
「陽葵って人は存在しないのに」
「無理やりステータスを作ったから」
「バグが起きてたのか!」
空は、謎が解けてスッキリしたような表情を見せた。
「そうだね。」
「私も、バグが起きた時内心焦ったよ。」
陽葵は、あの時のことを思い出して苦い顔をした。
「今だったら見れるの?」
花が、そう聞いた。
「多分見れるけど」
陽葵は、そう言ったきり話さなくなった。
きっと見せたくないのかもしれない。
固有魔法のこともあるだろうし。
「ってあれ?」
「陽葵の時の固有魔法は」
「風魔法だったよね?」
「でも、さっき幻想魔法?っていう魔法を解除」
「って言ってなかった?」
固有魔法は、原則一人一つまで
ステータスが、バグで見れないのに
陽葵の時と、天龍の時で固有魔法が違うのは納得がいかない。
それに、聞いた話では
天龍は、魔法が使えないはずでは?
「あぁ、」
「それは、ちょっと複雑なんだけどね。」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿時間が遅れてしまい申し訳ありません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




