201.俺が死ねば
「...天」
「もう、なんて言う顔してんの!」
陽葵?が、司に手を伸ばしながら言った。
「ごめん」
「ごめん、俺のせいで」
司は、自分の頭を抱えながら言った。
「別に、龍のせいじゃないよ」
陽葵?は司のそばでしゃがみ言った。
「こんなことになるなら」
「俺が死んだ方がマシだ。」
司は、陽葵?の言葉が届いていないのか
目には光がなかった。
―パチンッ
「陽葵!?」
陽葵?は、そんな司をみて思いっきり
頬にビンタを送った。
「龍、」
「嘘でもそんなこと言わないの!」
「私は私の意思でやった。」
「龍が、死んだら」
「私は自分をもっと許せなくなる」
「天...」
その言葉を聞いて司は自我を取り戻したようだった。
「だから、」
「さっさと立って」
「ほら、」
陽葵?は、急かすような仕草をした。
「うん」
司は、頷きながら立ち上がり
監獄の外へと出てきた。
「司!」
「良かった」
「生きてた」
それと同時にみんなは、司の元へとかけて行った。
「...」
「色々と迷惑かけたみたいで」
司は、照れくさそうに
「す、すまん...」
小さく謝った。
「お、お前!」
「熱でもあんのかよ!」
珍しすぎる司の行動に
蓮は、慌てた。
「ねぇよ!」
「それじゃあ」
「この監獄のせいか!」
「恐ろしいな」
「違ぇよ!」
良かった。
いつもの司だ。
──────
「っで、」
「陽葵さんですか?」
司の再会の喜びが一段落した後に
花がカタコトの言葉使いで聞いた。
「なにそれ」
「でも、はい」
「陽葵です。」
花につられて陽葵も、少し変な言い方になってしまった。
「でも、その姿って、」
菜々が、変わりすぎた陽葵の姿を見て言った。
「あぁ、」
「これは、話すと長くなるから」
「あっさりと言うとね」
「私、天龍なんだ!」
「うん、」
「うん?」
「いや、それは何となくさっき見てて分かったんだけど」
空は、眉間に皺を寄せて言った。
「なんで、ずっと隠してたの?」
蛍は、質問をした。
「じゃあ」
「もうバレちゃったから全て話すとね」
──────
「まず、私がみんなにずっと正体を隠してたのは」
「話すタイミングがなかったからなの。」
「まあ、確かに?」
「こっちに帰ってきてから」
「色々なトラブルが重なって」
「自分の正体を明かす前にやることが沢山あって」
「だから、本当は最後まで隠して」
「こっそりと消えるはずだったんだけど」
陽葵は、失敗したと言わんばかりの顔をしながら言った。
「消える?」
「うん、」
「正直いって私居場所がないからさ」
「それに、私の最後の目的は王を倒すってことだからさ。」
「それ、陽葵が天龍様なんだったら」
「千国王は、実の父親ってことになるんだよね」
「それなのに」
「倒すの?」
「ぶっちゃけ」
「あんなやつの血が体に流れると思うとゾッとするから」
「認めたくないけど」
「千国王は、実の父親だよ。」
「でも、それでも私はあいつをぶっ潰す」
「そのためにこの何年も作戦を実行してきたんだから。」
「龍と一緒に」
「...」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




