199.お手上げ
「やっぱりすごいね。」
陽葵は、終契監獄を前にしてそう呟いた。
「なんかさ、」
「想像してた監獄と違かった。」
蓮が、言った。
「もっと、」
「中の様子が見れる感じかと思ったけど」
「これだとただでかい門があるようにしか見えないし」
「もしかしたらここに司いないんじゃねぇの?」
蓮の、言っていることも分かる。
門のような扉は
一切の隙間がなく
中の様子も見れないから司が中にいるのかどうかも分からない。
そして、中から助けを呼ぶ司の声も聞こえないのだ。
「でも、私は」
「晴日さんの言っていることは」
「嘘じゃないと思うんだ。」
「陽葵」
「私もそう思いますわ」
「昔から憎む目を向けられてきたので分かりますわ」
「晴日さんはそんな目していなかったですわよ。」
お金持ちも大変なのだな。
「もし、ここに司がいなかったとしても」
「この扉を開けることには何か意味があるはずだよ。」
「そうだな。」
「ここで言い訳をたれても司は助けられね!」
「よし!」
「陽葵、どうやってこの扉を開ける!」
蓮は、陽葵の言葉を聞いて
不安が吹っ切れたらしい。
「まずは、流星の鑑定魔法で」
「この扉の素材を調べて欲しいの」
「もし、金出できてるなら直樹が」
「岩出できてるなら直人がそれぞれの魔法で」
「この扉を壊せるかもしれない。」
3年B組は、扉を開けるための作戦を実行した。
─────────
「鑑定魔法」
「万質鑑定」
どんな物体でも浅く広く鑑定できる魔法。
バチッ
「いたっ、」
流星が、鑑定と
監獄に触れた瞬間
静電気のようなものが走った。
「大丈夫?」
これは、前言っていた。
魔法が自分の体から逃げられないという現象と
少し似て非なるものに感じた。
「何があったの?」
「よく分かんないけど」
「魔法を使おうとしたら拒まれた気がする。」
「監獄に?」
「うん、」
「そんなことあんのかよ」
蓮が、馬鹿だなぁ
と笑って監獄に向かって魔法を放った。
「雷撃」
ビリビリ
今度は、流星の時の倍ぐらいの静電気?雷?
のようなものが起きた。
「いっったぁぁ」
蓮は、それを浴びてしまい。
髪の毛が少しちりちりになってしまった。
「あれで、痛いだけですむの」
「すごいよ、」
流星が、苦笑いをしながら言った。
「でも、これで分かったね」
「完全に、この監獄は魔法を受け付けないみたいだ。」
花がそう言った。
「それなら、最終手段だ。」
「1人ずつ扉を開けられるか試してみよう。」
──────
「まずは、私から」
そう言って前に出てきたのは陽葵だった。
「本によるとこの水晶に」
「手を当てて自分の名前を言ってから」
「開けて欲しいと言うだけみたい。」
陽葵は、そう説明したあと
真ん中にある水晶に手を伸ばし
手を当てた。
次の瞬間だった。
ビリビリ
「いった!」
さっきの、流星と同じように静電気が走ったのだ。
「ちょっと、」
「これ、人が触れてもダメなの?」
花がそう言って、恐る恐る水晶に手を当てた。
「...」
「あれ?」
「なんも起きないけど?」
花が、いつまで手を水晶に置いても
静電気は起きなかった。
「まさか!」
「私は、花と言います。」
「扉を開けてください。」
花が、目を瞑りながら言った。
だが、扉を静電気を流さないだけで
何も起こらなかった。
「なんだよ、」
「なんも起きないじゃん」
「花が王族だったのかと思ったじゃん」
その後、みんな水晶玉に手を当てて自分の名前を唱えたが扉は何も反応を見せなかった。
「これ、私たちが静電気流されないじゃなくて」
「陽葵に静電気を流してるってことだよね」
みんなは、陽葵の方を見た。
「ああ」
陽葵は、自分の手を見ながら言った。
「私、司に近づくこともできなかった。」
「ごめんね司」
「やっぱり私じゃ」
「約束守れない」
「陽葵?」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




