195.恋歌の危機
―キィィ
陽葵達は何とか扉まで歩くことができた。
「うわ、暗!」
扉の向こうには明かりなどは付いていなかった。
暗闇のせいか寒くも感じる。
「とりあえず待とう」
陽葵達は暗い部屋で火などを灯すことなく
少し開けた扉から来る光だけで
みんなを待った。
その後、2分置きに
姿を隠したみんなが入ってきた。
「やっと着いたぜ」
「怖かったよぉ」
距離は短いのにバレるかバレないかのハラハラで体力使う。
「遅いね」
陽葵は、みんなを待ってから20分ぐらい経った後にそう言った。
まだ来ていないのは最後の
恋歌たちのグループだった。
トラブルに巻き込まれてしまったのか?
―キィィ
扉をドレスの幅程まで開いた。
―ドン
「お待たせしましたわ。」
入ってきたのは恋歌達だった。
「遅かったね」
「ここからは、普通に喋ろう。」
「人は、滅多に来ないから」
「そうですわね。」
恋歌は、話し方変わらないでしょ。
「なんでこんなに遅かったの?」
夢描が、不安そうに聞いた。
「それがさぁ」
花が苦笑いをしながら話した。
──────
「私たち番が来たから扉を開いて」
「中に入ろうとしたんだけどさ」
「その時に、さっき陽葵にだる絡みしてきた」
「男と会っちゃって」
「また、ウザ絡みされてたの」
花は、面倒くさそーに話した。
「それは、」
陽葵も、元々の原因は自分だと思っているのか
申し訳なさそうな顔をした。
「別に、陽葵のせいでは無いですわよ」
「ただ、自分に自信を持たないのは」
「いけないことですけどね」
「恋歌」
「っで、」
「あの男が本当にしつこくて」
「恋歌の腕を強く握ったの。」
──────
『い、痛いですわ。』
男は、目を真っ赤にしながら恋歌の腕を握った。
『お前らのせいでな』
男は、さっきに比べ髪の毛がぐしゃぐしゃで
紳士とは程遠いように感じた。
『さっきのことを見てた奴がいて』
『そいつが上にチクったみたいで』
『来年からの晩餐会の出席が出来なくなったんだよ!』
『それは、自業自得なのではないでしょうか?』
恋歌は、睨みつけながら言った。
『こっの!』
『お前のせいだよ!』
男は、息を荒らげながら
右手を振り上げ
勢いよく恋歌へと振り下ろした。
叩かれる!
『っ、』
恋歌も、さすがに力の差でどうすることも出来ず
目をつぶった。
―シーン
だが、一向に痛みは来ない
恋歌もおかしいと感じ恐る恐る目を開けた。
『えっ、』
その場で起きていることは
考えがたい事だった。
男の腕を男が掴んでいるのだから。
しかも、見慣れたマント
腰には剣を下げた。
翼の騎士団。
晴日が、その場に立っていたのだから。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




