193.立ち振る舞いはしっかりと!
「おい!」
「お前らここで何をしている!」
その後陽葵たちは、他のみんなを探すため
城の中をうろうろしていた。
美月と健一、直人などの計12名は
城のメイドと執事に変装をして無事合流することは出来た。
もちろん、21人で移動すると
目立ちすぎてしまう。
そこで、陽葵は考えた。
菜々の煙魔法で
その12人の姿をくらませて移動した。
もちろん、存在自体が消えた訳ではなく
普通に人にぶつかれば
通り抜けたりなどせずぶつかる。
足音だって気を抜けばなってしまう。
「それにしても、すごい魔法ですよね」
夢描は、羨ましそうに言った。
「おい!」
この流れはさっきしたような気もするが
陽葵たちの後ろから怒鳴る声がした。
カツカツ
という硬い靴が床を強く蹴る音だけが
この空間に響く。
陽葵たちは、あくまで冷静さを装い
そっと後ろを振り向きお辞儀をした。
「これは、」
「翼の騎士団様」
そう、陽葵たちのことを呼び止めたのは
マントをなびかせる
重そうな剣を腰に下げる
この国の騎士
翼の騎士団だった。
「今夜に関わらず」
「日々のご活躍」
「尊敬するばかりです。」
陽葵は、本心には無い言葉をスラスラと述べた。
「お前らはここで何をしているのだ?」
翼の騎士団は相変わらず態度がでかいのか?
「あなたこそ」
「ここで何をしているのですか?」
陽葵は、睨みつけるように言った。
城の中に入れて気持ちが高ぶってしまったのだろうか?
今までの陽葵なら絶対に
取らない行為だった。
「ちょっ、」
「龍姉様?」
蛍も、状況を掴むことが出来ず
慌てて止めようとした。
「海月?」
「本当に分からないのですか?」
陽葵は、不思議そうに答えた。
不思議なのはこっちよ!と心の中で
きっと蛍は叫んだに違いない。
「なにがですか?」
「例え」
「あの、馬鹿どもでも」
「貴族との接し方は入団時に教わるはずですわ」
バカとは目の前にいる
翼の騎士団のことではないよな?
結構な声で言っていたけど
もし怒りをかったら
仲良く司と同じ監獄の中に入らなきゃ行けなくなってしまう。
「そ、それが?」
蛍は、その続きを聞いても良いのか考えたが
聞いてしまった。
「さっきの私たちへの態度」
「そして、重心が定まっていないためか」
「話す度にばたつかせているその立ち振る舞い。」
陽葵は、閉じた扇子で
翼の騎士団を上から下へと
調べるように刺した。
「全くもって」
「騎士団とは、思えませんは」
「楽しかったですか?」
「漣一?」
陽葵は、扇子をパッと広げ
目だけを笑わせ
言った。
「げっ、」
「バレてたか」
そう言って翼の騎士団の1人が
頭を掻きながら笑った。
「ええ、」
「あの演技でよくここまでこれましたわね」
陽葵は、皮肉を込めながら言った。
「そんな事言うなよぉ」
「俺だって頑張ったんだからな!」
「極力喋らないようにしたし!」
そう、この翼の騎士団に変装していたのは紛れもなく
蓮を含む残りの5人たちだったのだ。
「ようやく、皆様揃いましたわね!」
恋歌は、言った。
「それでは、行きましょうか。」
「司の元へ」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




