192.レベルアップは失敗でしょうか?〜必ず開けますわ!〜
「それがさぁ」
「全然会わないんだよね」
陽葵が、潜入している他のみんなが見つからず困っていた。
「やはり」
「皆様お顔が変わっていますから」
「分かりずらいですね。」
花が声を抑えながら言った。
「そうよね」
「面に双星魔法で瑞希の色魔法を合わせて」
「元の顔の認識がある方でも」
「顔が変わって見えるように工夫を施し」
「翼の騎士団にもしも認識されても」
「安心だと思ったのですけど」
陽葵は、失敗かぁ
と落ち込みながら言った。
「別にいいではありませんか?」
恋歌は、扇子を畳み言った。
「不安なものを1つでも多く潰すことは」
「勝利に繋がるというもの」
「それに、龍の顔を皆様覚えているでしょうし」
「あっちから話しかけてきますよ。」
「華恋」
陽葵は、もし今ドレスを着た貴族でなかったら
間違いなく恋歌に抱きついていただろう。
「それに、」
「よ、龍様のお顔がとても綺麗ですしね!」
夢描が、笑顔で言った。
「そ、そう?」
陽葵は、自分の顔を触りながら首を傾げた。
「はい!」
「どことなく天龍様に似ているような?」
「そんな顔してるの?」
「なんも考えてなかった。」
髪の毛は元々の漆黒の色だが、
顔立ちがどことなく天龍様を思い正せる。
「龍も、天龍様のお顔が大好きだったのですね。」
「あははは」
「そうかもぉ」
陽葵は、曖昧な返事をした。
「もしかしたら」
「終契監獄も間違えて開けてしまうかもしれませんね。」
「そ、そうだと良いのだけどね」
「ちょっと、」
夢描の発言に
陽葵は、少し元気を無くしてしまった。
「善は急げですわよ」
恋歌なりに、その事を察したらしく
この空気を変えようとドレスの裾を両手で持ち上げて
歩き出した。
「ちょ、」
「華恋様お行儀が悪いですよ!」
それに続いて花も歩き出した。
──────
「それよりも、龍姉様は天龍様も居場所が」
「お分かりなのですか?」
蛍が、陽葵の斜め後ろに立ちながら質問をした。
「えっ?」
「何故ですの?」
「えっ?」
「じゃあなんで私たちは」
「今歩いているのですか?」
てっきり、天龍様の部屋に行こうと歩いていると思っていた。
「そうではないですよ」
「他の方と合流ができないか歩いているのです」
「それに、例え城が開放されたとしても」
「王族が、住む部屋まで入ることは」
「出来ませんわよ」
普通に考えればそうだ。
私たちのように王族の命を狙うもの達がいないわけがない。
「それに、天龍様が協力してくださるとも」
「思えないわよですわよ」
「海月、言葉遣いが変ですわよ。」
「とりあえずは」
「みんなと合流をして」
「司の元へ行きますわよ!」
「でも、鍵が無ければ」
「開きませんわよ?」
「...」
「大丈夫ですわよ」
「きっと、開きますわよ」
「陽葵?」
思わず偽名を使うのを忘れてしまうほどに
陽葵が、どこか遠くに消えてしまいそうに感じた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿時間が遅れてしまい申し訳ありません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




