188.楓は仕えます。
「よし!」
「みんな今日は頑張るよ!」
陽葵は、これから司を奪還するのに笑顔だった。
「なんか、今日の陽葵」
「いつもより元気だね?」
花が、そう言った。
「そうかな?」
自分では、変化に気づいていないようだった。
「そうだよ」
「でも、なんか前の陽葵に戻ったって感じ!」
夢描が、嬉しそうに陽葵に言った。
「何それ、」
陽葵は、顔をクシャッとさせて笑って見せた。
「でも、そうかも」
「最近の私は陽葵らしくなかったよね」
自分の胸に拳を当てた。
「自分のこと名前呼びするんだ」
「えへ、」
─────────
「それじゃあ行くよ!」
「みんな!」
陽葵は、街へ繋がる扉を開いた。
「行ってらっしゃい」
「26人分の」
「温かいご飯を作って待ってしますね。」
慎さんのその言葉に
何故か、安心してしまった。
ここにもう一度戻ってくる時には
口うるさい司も一緒だ。
みんな、自然とそう考えた。
ただ、私たちは舐めていたのかもしれない。
この作戦がいかに勝算の低いものなのか。
「...」
そして、その事を知っていたのは陽葵だけだった。
──────
「それじゃあまた後でお会いしましょう」
恋歌達は、そう言って
どこかへと消えていった。
今回は、全員で行う作戦だ。
だが、25人が一気に行くのはさすがに不自然すぎるので
それぞれに役割を割り当てた。
陽葵や、蛍、夢描、春樹、楓は
堂々と城の入口から入る。
陽葵は、もちろんこの作戦のリーダーとして
蛍は、戦力として
春樹は、金のカードにもしもの事があった時のため
夢描と、楓はメイド、執事として
そう、今回はあくまで貴族としてパーティーに出る設定だ。
「それでは行きますわよ」
陽葵達は、未来がこの数日間で作り上げてくれたドレスやスーツ、メイド服を身につけて言った。
「ええ」
「お姉様」
蛍は、陽葵の妹として
そして、春樹は末っ子だ。
「なんで俺がお前らに仕える立場なんだよ」
楓は、心の底からやりたくないと言う顔を見せた。
「仕方ないじゃん」
「私たちの魔法今回全然使えないんだもん」
「俺は、使えないんじゃない」
「できないんだよ!」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




