186.俺様はすごいのだ!〜金が不足しているこの世界〜
「いやいや」
「なんで俺様が作らなきゃいけないんだ!」
春樹は、そう言った。
「だって、」
「それ以外で作れる方法なくない?」
「春樹の固有魔法は?」
「金魔法」
「ほらぁ、」
「ピッタリじゃん!」
陽葵は、胡散臭い笑顔を春樹に向けた。
春樹の魔法は蛍と同じように
生成ができる。
ただ、蛍が剣しか作れないように
春樹も金で出来たものしか作れない。
「ああ」
「確かにピッタリだな」
春樹は、考えるのを放棄したのか陽葵の言葉を反復した。
「だが、お前たちは」
「今、犯罪者なんだろ?」
「俺様も犯罪者になれと?」
「いや、」
「なんで春樹だけ犯罪者じゃねぇみたいな言い方してんだよ!」
蓮が、突っ込んだ。
「それは、当たり前だろ?」
「俺様に犯罪者という肩書きは」
「似合わない。」
誰だってそうだろ!
と、みんなはツッコミたくなったが
春樹は、そういう性格なので仕方ないと
諦めてしまった。
「それにな」
「俺に頼らずとも」
「一などに頼めばいいではないか!」
春樹は、何としても自分の手を汚したくないようだ。
「金などそこら辺にあるのではないか?」
元の世界には金が転がっているわけはなかったが
この世界には1つの国に多くの鉱山があるのだから
春樹の意見にも賛成できるところはあった。
「私も、最初はそうしようと思ったんだけど」
陽葵は、こう続けた。
「どうやらこの国は」
「今、金が全くと言っていいほど採れないみたいなの」
「多分、一気に掘りすぎたみたいなの」
それは、計画性にかける話だ。
「この国のお金に使われてる金もどんどん」
「安いものに変わってて」
「街に出てるほとんどが他の金属どうしを合わせてるみたいだから」
「純金じゃないみたいなの」
そんな状況なら確かに春樹にしか頼めないかもしれない。
「だからね、」
「春樹、」
「私は、司を助けるためにも」
「春樹の力を借りたいの!」
「そして、この国での戦いが終わったあと」
「この国民はきっと」
「春樹を、称えるはずよ!」
「だって、金を作り出せる人なの!」
「それは、誇り高きことではない?」
陽葵は、他の人が聞けば
嘘に聞こえることを情熱的に言った。
「それは、」
さすがの春樹でも、引いてしまっただろうか?
「素晴らしいことだ!」
えっ?
「ははは」
「そうだろう」
「俺様は賢く勇敢であり」
「犯罪者と言われようとも」
「お前たちのために力を使ってやらんこともない。」
まさか、まんまと陽葵のノリにハマってしまった。
陽葵は、春樹とは反対方向のみんなの方を見て
にやりと親指を立てながら微笑んだ。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




