184.冷静な蓮は、もう蓮ではない!?
「あっ!」
「これ、見とかないとね」
6人は、入場料分の本を見るため図書館の中を歩いていた。
そんな中、陽葵はひとつの本を手に取った。
「それ何?」
「淑女、紳士にとっての基本的マナー」
「だよ。」
陽葵は、空に本の表紙を見せた。
「なんでそれ見なきゃなの?」
蛍も、空の後ろから現れて言った。
「いやぁ」
「この先必要になることだからね。」
「それは、後で言うけど」
「へぇ、」
「でもさ、」
「こういうのは恋歌が得意なんじゃない?」
恋歌は、お嬢様だから
基本的なマナーは叩き込まれているだろう。
実際食事の時や歩き方一つ一つに品がある。
「それは、もちろん」
「恋歌にも、教えてもらいたいけど」
「ここと向こうでは」
「世界が違うし」
「昔と今では違うところがあるかもだからね。」
「それもそっか」
「元の世界でも」
「国が違うだけで」
「ルールも大分違うしね。」
空は、そう口にした。
「じゃあ見るか」
3人は、机に本を開き読んだ。
「...」
数分後
「なるほどね」
3人は、数ページを読んだ。
読み飽きたのか蛍が、口を開いた。
「マナー的に意外性はないみたいだけど」
「ただ」
「だよね」
どうやら、陽葵は蛍の考え出ることが分かったらしい。
「ここに載ってることを覚えようとしたら」
「女子は出来そうだけど」
「男子が」
「特に、蓮と直人」
2人は、紳士としてはかけ離れすぎている性格をしているからな。
どちらかと言うと冒険者がお似合いだろう。
「まず、1つ目の」
『どんな場面でも冷静に』
『けして、声を荒らげることはしない。』
陽葵が、読み上げた。
「すぅ、」
3人は、息を吸った。
「うん、無理だね。」
「だよねぇ」
「蓮が、いつも冷静だったら」
「それは、もう蓮じゃないよ。」
蓮は、冷静とは真逆の生活をしている。
「いっそ、」
「喋られなくしちゃうとか」
「やめてよ」
「空が言うとシャレにならないから。」
蛍が、苦笑いをしながら言った。
「まぁ、でも今考えても」
「蓮の性格が変わるわけじゃないし」
「とりあえず」
「この本を頭に叩き込もう!」
陽葵は、そう言って再び本へと視線を落とした。
─────────
―数時間後
『閉館時間となります。』
『お忘れもないよう』
『お気をつけてお帰りください。』
アナウンスが図書館に響いた。
「あれ?」
「もう、そんな時間なの?」
3人が座っているところからは時計が見えないから
時間がそこまで進んでいるとは思わなかった。
「はぁ、」
「私今までこんなに本読んだことないよ。」
「なんか、頭がパンパン」
蛍は、頭を抑えながら言った。
「色んな種類の本読んだからね。」
陽葵は、大丈夫?と心配しながら言った。
「ここの本は素晴らしいわね!」
「また来ようかしら!」
空は、マナーの本以降は医学関係の本をかき集めて読んでいた。
「空は、元気そうだね。」
「もちろん!」
「新しい知識が増えた気がする!」
空は、目をキラキラさせながら言った。
「ふっ、」
なんか、恋歌を思い出すな。
そんなことを一人で思い笑う陽葵であった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




