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183/266

183.絵本に込められた思い。

「どういう意味ですか?」


陽葵は、慎さんに質問を投げた。


「ああ」

「もちろん」

「陽葵さんの持っている絵本は存在しますよ」

「ただ、その絵本はこの世に1つしかない」

「という訳なんですよ。」


つまり、

私たちが、この国立図書館をいくら探しても

見つからないというわけか。


「でも、なんで慎さんが知ってるんですか?」


空は、不思議に思い疑問を問いかけた。


「それはですね。」

「私の古き友に聞いたのですよ。」

「その本はたった一人のために作られた」

「特別な本だと。」


慎さんは、微笑みながら陽葵を見た。


「そうなんですね。」

「だから、私でもこんなに」

「絵本が大切に思えるのかもしれません。」


陽葵は、その話を聞いてますます

その絵本を好きになった気がした。


「それでも、続きが気になってしまう。」

「これは、一種の呪いではないかと」

「考えてしまうほどに」


陽葵は、諦めの悪い自分に呆れながら言った。


「呪いですか。」

「確かにそうかもしれませんね」

「人の思いは時に」

「強大な呪いとなって」

「相手に悪や善として降りかかる。」

「それを決めるのはいつも」

「運命なんですよ。」


「?」


またまた、慎さんは意味の深そうなことを言ったが

深すぎて5人には到底理解できなかった。


「それに、」

「きっとその絵本を大切に思っているのなら」

「いつの日か絵本の続きを知っている方が教えてくれるはずですよ。」

「絵本の最後のページを」


「なんだか不思議ですね。」

「でも、いいな」

「絵本を書いて」

「愛を形に残したってことですよね。」


陽葵は、羨ましそうに言った。


前、陽葵は家族と仲が良くないと言っていた。

この絵本が、親子の間で生まれたものか分からないが

陽葵は、自分と対称的な絵本を考えて

胸を痛めたのかもしれない。


「なんでそんなしょげた顔してんの!」


空は、またまた陽葵をバシッと叩いた。


今度は、思いっきり


「私たちが、近くでいつも」

「愛与えてるでしょ?」


空は、ドヤ顔をかましながら言った。


「何それ」


陽葵は、そんな空を見ながら笑った。


「そうだね。」

「私は、今十分に愛を貰ってるよ。」


「でしょ!」

「欲しがりはダメだぞぉー」


「なんか、今日の空変だよ」

「ふふ」


「えへへ」


図書館には静かに2人の笑い声がした。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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