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182/266

182.やっぱり入場料分見て帰らないとやってられません。

あの、何をしても死ななそうな司が?


「そんな、」


蛍は、ボソッと呟いた。


「分かるの」

「司がもう弱ってる。」


陽葵は、自分の胸に手を当てながら言った。


「って、」

「なんか、ヒロインみたいなこと言っちゃったけど」

「私は、司を死なせたくない。」

「それはみんなも同じだよね?」


陽葵は、分かりきった質問をした。


「もちろん」

「司には何度も助けられてきた」

「助けられるなら助けたい。」


蛍は、これまでの経験を振りかえって言った。


「それは俺達も一緒だ。」


直人も、言った。


「それならやるしかないよ。」

「大丈夫」

「みんなは、私が守るから」


陽葵は、優しい顔をしながら

その目の奥には、覚悟があった。


「陽葵に守られなきゃ行けない場面が」

「1番怖いけどな」


「なに!!」


「ちょっ、だから声抑えて!!」


──────

「ひとまず」

「司のことは帰ってから話すとして」

「戦いに必要な知識とか」

「載ってる本がないか」

「見たいんだけど」


陽葵は、そう言った。


「なんだよ」

「さっきまでの勢いのまま」

「帰るのかと思ったんだけど」


直人が、意外そうに言った。


「だって、仕方ないでしょ」


陽葵は、悲しそうな声で言った。


「陽葵?」


それを聞いた空が心配に近づこうとした。


その時だった。

陽葵が、いきなり顔を上げ言い放ったのだ。


「入場料分まだ見てない!」


まだ、そのことを引きずっていたのか


「バカ!」


―パシっ


「あいた、」


空は、心配して損したと言いながら陽葵の頭を軽く叩いた。


「ごめんごめん」

「それに、もう1つ理由があって」


陽葵は、叩かれたところを撫でならが言った。


「1番最初の家にあった」

「あの絵本ここにないかなって」

「ずっと思ってたの。」


「懐かし!」

「色んなことがありすぎて」

「忘れてたわ」


そういえば

あの絵本は、最後

水で濡れて滲んで見えなくなっていた。


「なんか、無性にあの続きが読みたくなっちゃうんだよな」


直人が、言った。


「そうだよね!」

「誰が書いたのかも分からないし」

「なぜ、あの本があそこに置いてあったのかも謎だし。」


「だったら司に聞いてみればよかったね」


空は、言った。


「なんで?」


「だって、あの家を用意したのは司なんでしょ?」

「なら、あの本をあの家に置いたのも司じゃん」


「あっ、」


陽葵は、きっと空に言われるまで考えもしなかったことだろう。


「でも、今聞くことできないし」

「探すしかないかぁ。」


陽葵は、肩を下ろしながら言った。


「その絵本の題名なんですか?」


話をずっと聞いていた慎さんが、言った。


「えっとですね。」

「かみさまにえらばれなかったわたし」

「です。」


陽葵が、言った。


「えっ、」


慎さんは、驚いたように言った。

もしかして、有名な絵本なのか?


「陽葵さんは、なぜその絵本が気になるんですか?」


「えっ?」

「なんとなくですけど」

「これは、誰かの大切なもののように感じるので」


陽葵は、慎さんがなぜ今そんな質問をしたのか疑問に思いながら答えた。


「そう」

「ですか、」


どうやら慎さんは、陽葵の答えに納得ができていないように思えた。


「そして、」

「みなさんが探している本はきっと」

「この国立図書館いや」

「この世界に存在しないと思いますよ。」


ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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