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178.隠せているから

「へぇ」

「この国には、見たことの無い病気も存在するのね」


元いた世界では無かった病を見て興味を示していたのは

空だった。


「どう空」

「やっぱり違うの?」


空も、6人の中の1人に選ばれた。


「もしかしたら、元の世界で解明できていない病が治せるかもしれない。」


そんな思いを聞いた陽葵は、さすがに連れて行かないとは考えられなかった。


「元いた世界と違う病は魔力関係のものが多いみたいだね。」

「その他は、治し方が分からなくて」

「痛みを和らげる方法とかが書かれてるよ。」

「どこの世界でも、助けられない人はいるんだね。」


空の悲しむ顔は、高校生としてではなく

1人の医者の卵としての顔だった。


「私にはさっぱり何言ってるか分からないわ。」


蛍は、空の持っていた本を覗きみた。


「そう?」

「意味が分かるようになれば」

「とても、素晴らしいことが書かれてるよ?」


その意味を分かるようになるまで長いのだけれど...


「空は、すごいね」


陽葵は、そんな2人を見て言った。


「何が?」


「誰かのために努力できる」

「それは、きっと自分のために努力することよりも」

「難しいことだよ。」


「そんなこと、」


「ううん」

「そんなことあるよ」

「私には……出来なかったから。」


陽葵は、今のように時々とても悲しそうな顔をする。

きっと、自分では上手く隠せてると思っているらしい。


「じゃあそれこそそんなことないよ!」


空は、嬉しそうに言った。


「えっ?」


「陽葵は、今私たちの為に最善を尽くそうと考えて」

「努力しようとしてるでしょ?」

「陽葵だって、誰かのために努力出来てるんだよ!」


「そっか、」

「ごめんなんか私女々しいこと言ってたね」


陽葵は、いっけないと笑いながら口に出していた。


「そんなことよりも、」

「他の3人はどこに行ったの?」


蛍が、辺りを見渡しながら言った。


「直人は食べ物についてでしょ?」

「流星は自然についてでしょ?」


そう、その2人も空の言葉を聞いて自分から行きたいと申してできた。


「もう、あんまりウロウロしてほしくないんだけどね。」


陽葵は、呆れながら言った。


何度も言っているが

陽葵達は、翼の騎士団から逃げている。


だから、影でひっそりと

絶対に目立ってはいけない、


「あっ!」

「こんなところに居たのかよ」


そんなことをしみじみ考えていた時

直人はなかなかにでかい声量で陽葵達の方へと声を届けてきた。

おまけに両手をブンブンと振っている。


「...直人?」


陽葵は、ふつふつと怒りが込み上げているようだった。


「って、いけねぇ」

「ついつい新しいレシピにテンション上がっちまった。」


「直人連れてきたの間違えたかな」


陽葵は、本気で頭を抱えた。


「いや、そこは蓮を連れてこなかったのが正しい判断だったって思う!」

「バカ2人は目立つよ」


空は、笑顔でなかなか毒のあることを吐いた。


「こらこら」

「余計に目立ってしまいますよ」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

またまた、投稿時間が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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