176.そろそろ
「てことで」
「私が独断で司の服のデザインを考えたんだけど」
未来が、そう言ったあとそのデザインを見せてくれた。
そこに描かれていた服には、
動きやすさを、十分に考えたデザインだった。
「色は、黄色や緑とかを使いたいなって思ってるの。」
「なんでだよ?」
「司のイメージ的に」
「青とかが合うと思うんだけど」
「あの冷たい感じとか」
蓮は、この場に司がいないことをいいことに
言いたい放題だな。
「そうなんだけど」
「なんか、司の服にはその色を入れた方がいい気がするのよ!」
未来は、雑にまとめた。
「そういえば」
「陽葵の服にもその色入れたいって」
「言ってたよね?」
「うん」
「なんか、二人でペアルックみたいだね」
花が笑いながら言った。
「え゛っ、」
「そんなに嫌がることある」
「別に嫌がってないけど」
「でも、陽葵緑好きとか意外だな」
蓮は、言った。
「別に何が好きでもいいじゃない」
未来がそう言った。
「いや、そういう訳じゃない」
「陽葵って、身の回りのものに」
「あんまり色がないイメージあるからさ」
「まぁ」
「言われてみればそうね」
「筆箱とかお弁当箱とか」
「白黒が多かったわね。」
高校時代の陽葵を思い出して言った。
「そう思うと緑とか好きなの初めて知ったな」
「って思ってさ」
「なにそれ」
陽葵は、変なのと言いながら笑った。
「確かに好きな色何?って聞かれたら」
「その2つの色が思い浮かぶかも」
「嫌いな色何?って聞かれても」
「その2つが思い浮かぶけど」
「?」
「なんか矛盾してね?」
「でも、今回は戦いだから」
「この色を着て戦うの」
陽葵は、時々話が噛み合っていないように思う時がある。
今回も、そうだ。
まるで、前々からこの色を着て戦うことを決めていたような。
その後、みんなは服作りを再開した。
──────
その夜
「そういえば」
「忘れてたけどさ」
「こっちも終わりが見えてきたから」
「そろそろあれ行ってもいいんじゃない?」
「あれ?」
「あっ!」
「うん、」
「そうだよね」
「時間もないし」
司が離れてもう2ヶ月も経った。
今も牢屋のところに入れられているのだろうか。
そろそろあれについても考えなくては行けない。
「じゃあ明日行こうか。」
「国立図書館へ」
陽葵は、何か思いを込めた眼差しでそう口にした。
──────
ガチャッ
みんなが眠りにつき
昼間のようにいつも会話が途絶えず騒がしい
時とは違い
暗い部屋の中で音もその暗闇に吸い込まれてしまったように静かな夜。
一人、
まだ起きていた慎さんの側へと近づいた者がいた。
「慎さん」
「お話がございます。」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




