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172/266

172.シンプル過ぎるのは、

「未来ー」

「これでいいの?」


菜々が、ミシンを使いながら

未来に聞いた。


「うん!」

「上出来だよ!」


未来は、菜々のやった布を見て答えた。


「なんか、服作りって難しいだけかと思ったけど」

「意外と楽しいかも」


布を切る係に任命された花が言った。


「意外で悪かったわね」


「べ、別に」


どうやら未来の地雷を花は踏んだようだ。


──────

「よぉーし」

「結構いい感じの仕上がりじゃない?」


夢描は、机の上に置いてある楓の服を見て言った。


もちろん一日かけても全て終わる訳じゃない。

今は、仮で布と布を縫っているだけだから

服と言うには程遠いが

形になった。


「うーん」


未来は、完成に近づいて喜ぶのかと思ったが

その顔はなにか考えているようだった。


「なんか違う?」


それに気づいた陽葵が質問をした。


「いや」

「形とかはいいし」

「色は後で瑞希につけてもらうからいいし」

「でも、」

「でもなぁ」


未来は、大きめの独り言を言っていた。


「なんだよ」


それを見て耐えられなくなった楓が

未来に聞いた。


「楓」

「本当にこのデザインでいいの?」


「はっ?」

「いいって言ってんだろ?」

「俺は、目立たなそうな服がいいんだよ」


楓が、自分のセンスを否定されたように感じたのか

少し起こり目に言った。


「それじゃあ言わせてもらうけど」


それを聞いた未来が怒った?


「こんな全身真っ黒」

「そして、なんのデザインもない」

「それが市場にいたら」

「本当に目立たない?」

「楓の言う目立たないところは路地裏とかでしょ?」


未来は、楓の目を睨む着けるように言った。


「そ、それは」


「確かに、楓の魔法的に黒が似合うのは分かる」

「分かりきってるんだけど」

「もう少し装飾を足さない?」


「お前それが理由だろ」


「うっ、」

「だって、」

「これは、あまりにもシンプルで」

「もう少し刺激が欲しんだよ!」


「何言ってんだよお前」


「ちょっ、」

「本気で引かないでよ!」


楓が未来の共感しがたい考えに顔を顰めた。


「とりあえずさ!」

「一さんに貰ったチャームの中でいいのないか」

「探そうよ!」


未来は、半ば強制的に楓を誘った。


──────

「どう?」

「なんかいいのあった?」


未来は、チャームが入った箱を取り出し

楓に選ばせた。


「うーん」


楓は、飽きているのかただぼーと箱の中を覗き込むだけだった。


「もうちゃんと探し、」


「あっ、」


楓が、箱の中に顔を突っ込むのではないかと思う勢いで声を上げた。


「これだ。」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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