166.謎の訪問者
―コンコン
誰が扉を叩く音がした。
「...」
「、えっ」
森で動物が石を叩いているのかもしれないと思った。
方角して音が鳴ったのは
街に繋がっている扉の方だった。
この場所を知る人はいないに等しいはずだ。
「今日って」
「誰も来ないはずだよね?」
空が震える声で聞いた。
「う、うん」
「じゃあ一体誰?」
翼の騎士団?
嫌な考えが浮かんだ。
少しの間忘れていたが
私たちは、今追われている身
ここが分かりにくい場所だとしても
結局は、国の中に入り口があるのだ。
「どうするよ」
「居留守使う?」
蓮が、この状況でもボケをかますのかと思ったら
真剣な顔で言った。
「何言ってんの?」
「なんか、花最近」
「俺に冷たくね?」
「あぁ、」
「今はそれいいから」
夢描が間に入って止めた。
「でも、もし」
「翼の騎士団だったら。」
「ここに入ってくるのも時間の問題だろうね。」
「あん時のがあるからな。」
透が、思い出したように言った。
私たちが、こっちに来てから初めて暮らした。
あの家。
結局最後は翼の騎士団に見つかり
追い出されてしまった。
「また、あんなことになるとか私ごめんだよ」
りかが、涙を零しながら言った。
「俺だって嫌だよ!」
「私だって!」
りかの涙につられたように
みんなは、焦りを言葉に乗せた。
その結果、
この場に落ち着きが無くなり
ただ、みんなの不安な声が溢れるだけだった。
「皆さん落ち着いてください。」
「慎さん?」
その場を鎮めてくれたのは慎さんだった。
「騒いでも」
「扉の向こうの誰かは立ち去ってはくれませんよ?」
「そ、そうですね。」
慎さんの言葉にみんなは正気に戻った。
「でも、一体誰なの?」
みんなは、恐る恐る扉に近づいた。
「ー!ー」
「えっ?」
「おーい」
「おーい」
「なんだ誰もいねぇのか〜?」
扉の向こうから小さいながらも声がする。
「幽霊!?」
夢描が、大きな声を出してしまった。
「なんだよ」
「いるじゃないか!」
まずい、
バレてしまった。
「まって、」
「なんか、この声聞いたことない?」
そう言ったのは陽葵だった。
「...」
「確かに!」
「怖い声なんだけど」
「どこか温かみのあるような声」
りかが、だいぶ失礼なことを言ったような
気もするが、
確かにこの声は聞いたことのあるような
しかも、何度も聞いたことのある声。
「あっ!」
陽葵が、閃いたように声を上げた。
「あっ!」
それに反応しみんなの頭の中の回路が繋がった。
―ガチャッ
陽葵は、躊躇うことなく扉を開いた。
「一さん!」
そう、扉の向こうに立っていたのは一だった。
「やっと開けてくれたな」
「俺、嫌われたのかと思ったぜ」
一が、安心した顔で言った。
「だって来てくれるって聞いてなかったので」
「不審者かと思って」
「まぁ」
「確かにな」
一が、笑いながら言った。
「とりあえず中に入ってください。」
だけど、一体なんで一は
今日ここに来たのだろうか?
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿時間が遅れてしまい申し訳ありません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




