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155.天の声

「じゃあ」

「行くよ!」

「蛍よろしく!」


「分かったわ」

「あんまり人に見せるもんじゃないけど」


蛍は、一と協力して作った

失敗作の剣を取り出した。


紙が置いてある机の上に置いた。

それを夢描が、確認したあと、


夢描は、スっと息を吸った。


「過去魔法」

「時刻逆光(じこくぎゃっこう)」


そう唱えた瞬間


剣が置かれている

机に絵や文字が浮かび上がった。


魔法陣だ。


その魔法陣をよく見ると


秒針のようなものがチクチクと動いていた。


その秒針に従って

剣は、元の姿へ変わっていった。


鉄鉱石の姿へと


「えへへ」

「どうですか!」

「私の過去魔法!」

「とても、珍しいんじゃないですか!」


夢描は、天井を見上げながら言った。

きっと、店主がどこにいるか分からなくて

とりあえず上でも見たのだろう。


「なんで、上なのよ」


そんな、神様みたいなことあるわけ、


「ほうほう」


「えっ!?」


今、たしかに私たちの上の方から男のしかも歳の取ったような声が聞こえた。


「そなたの魔法は確かに」

「珍しい。」


その天からの声は姿を表さないまま

話し続けた。


「ですよね!」


夢描も、認められたのが嬉しかったのか

興奮するようにぴょんぴょん跳ねた。


「ああ、」

「だが、わしの目は騙されんぞ」


「何がですか?」


私たちは、嘘をついていないよな?

夢描の、過去魔法だって本物だし。


「お主らまだ」

「珍しい魔法が使えるのであろう?」


「すごい!」

「なんでわかったんですか!」


夢描は、楽しそうに言った。


「それはな、」

「わしが天才だからじゃよ!」


「なんですかそれ!」

「面白いですね」


「そうか、わしが面白いか」

「そなたもなかなかに面白いやつだな」


2人は、息ぴったりに笑っている。


「なんかさ、」

「もう、仲良しみたいなんだけど」


蛍が、陽葵にぼそっと言った。


「そうだね」

「今も、なんで笑いあってるのか私には分からないよ」


──────

「ああ」

「そうだった、」


天の声は夢描と話すのに集中していて

忘れていたようだった。


「お主らは」

「何故、わしの店に来たんだ?」


「あっ、」

「そうだった」


おいおい、

夢描まで忘れていたのか?


「私たちは、」

「布を買いに来たんです!」


「ほう、」

「ここには、数多くの布がある。」

「お主らの探している布も」

「あるだろう。」

「しかし、」

「ここは、一定のものにしか分からないはずだが」

「お主らは、誰にここを教えて貰ったんだ?」


「春さんです。」


「ほう、」

「あやつか」

「それならいい」


「ありがとうございます!」


「あやつが誰かの手助けをするとはな」

「これまた、面白いことだな。」


これは、私たちが春さんに認められていると受け取っていいのだろうか。

それなら、嬉しいな。


「それで、」

「お主らは、どんな布を求めて」

「来たのだ?」


天の声は、3人に言った。


「はい」


陽葵が、夢描の隣に並び言った。


「魔法耐性のある布です。」


「ほう、」

「耐性のある布は高くつくことは知っているか?」


「もちろんです。」

「布一つ一つに魔法式を書くため」

「値段が上がります。」


「その通りだ。」

「少し失礼かもしれんが」

「お主らはそれを買えるほどの」

「金を持っているのか?」


天の声が変わった。

さっきまでの、

楽しげな声ではない

商売人の声だ。


「そうですね」

「一気に買うことは難しくても」

「なんでか、訪れ」

「少しづつ」

「買わせて頂きたいです。」


陽葵は、折れまいと緊張しながら言った。


「そうか、」

「分かった。」

「お主らのその気持ちを信じるぞ」

「そして、お主らは」

「久々に面白いやつらだからな」

「どうだ」

「他の2人の魔法を見せてくれたら」

「今回は、料金を半分にしてやってもいいぞ」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

なんと、22時の投稿になってしまい申し訳ありません。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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