154.店主のいない店
「お邪魔します」
陽葵達は、春さんに言われた
3つの条件を守り
言われた布の販売所へとやって来た。
陽葵は、何かあった場合の指示者
蛍は、その何が起きた時に戦うための戦力
そして、夢描は条件の3つ目である
珍しい魔法を見せるためにやってきた。
「本当は、布屋さんだから」
「未来とか美月が良かったんじゃないの?」
夢描は、なんで私がまた
と言いたげな顔をして言った。
「仕方ないじゃん」
「あの二人はあんまり外に出たことがないし」
「今回の任務は今後の私たちの戦いに」
「大きく関わるんだよ?」
そう、それが未来と美月が来なかった理由だ。
「それは、そうだけどさぁ」
「私だって」
「上手くできるかわかんないし」
夢描は、自分に自信が無いのか口を尖らせながら言った。
「大丈夫!」
「夢描は、何もしなくても」
「好かれる性格してるから!」
陽葵は、ぽんっと夢描の肩に手を置いて笑いながら言った。
「そ、そう?」
「うん!」
「私が保証するよ! 」
「そうか、」
「それなら、」
「私頑張っちゃう!」
夢描は、意気込みすぎて先頭を切った。
「本当に夢描は流されやすいよね」
蛍は、さすがの夢描の気分の変化に
笑いが出ていた。
「まあまあ」
陽葵は、それをみて苦笑いを見せることしか出来なかった。
「何してんの?」
「2人とも」
「店主さん探さなきゃ!」
さっきまで後ろでビクビクしていた人とは思えないな。
「でも、確かにそうだね」
「外からじゃ分からなかったけど」
「店内は広いね」
「だよね、」
「それに、すごい量の布たち」
「これを未来が、見てたら」
「任務どころじゃなかったんじゃない?」
「それはそうだね」
「きっと一つ一つ見てたはずだよ」
3人は、それから店内を見渡したが
店主さんらしき人はおろか
レジのような場所も見えなかった。
「って、あれ?」
「なんか、ここに紙があるよ?」
夢描は、不自然なぐらい真ん中に置かれていた机の上にあった
1つの紙切れを見つけた。
「なになに?」
『ここに置いてある布を買いたければ』
『ここで、そなたの特別な魔法を見せよ』
「なるほどね」
「これが3つ目の条件か」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




