148.守ってもらっていたのに私たちは...
「は!?」
「どういうことだよ!」
「ちょっと蓮」
「そんなに声荒らげても」
「意味無いでしょ」
司が連れ去られたあと6人は秘密の部屋へと帰り
みんなに事情を話した。
「そうだけどよ」
「あの司が連れ去られるって、」
蓮は、感情を抑えられず怒鳴るような口調で言った。
「司は、私たちを守るために」
「自分で魔法を使わなかった。」
「陽葵が最後まで魔法で戦ってたけど」
夢描が、悔しそうに言った。
「もし、魔法を使ったら」
「私たちを倒すって言われて。」
りかも、同じように辛そうな顔をしながら言った。
「ズグーラを倒すまでは」
「完璧でしたのに、」
恋歌も、いつもに比べて元気がなかった。
「俺らがもう少し強かったら」
直人も、下を向きながら言った。
「もう、怒ってしまったことは仕方ないですよ」
「これから、どうするか」
「しっかりと考えることが」
「今、1番大切なのではないですか?」
「慎さん...」
確かに、慎さんの言う通りかもしれない。
今ここで過去を悔いても司は帰ってこない。
なら、次自分たちが何をしなければいけないのか考えるべきだろう。
「そうですよね」
未来が、言った。
「ええ」
慎も、ニコッと笑った。
「そういえば」
「陽葵、魔法使えたんだね」
空が、陽葵に問いかけた。
「えっ?」
「あぁ、うん」
「あんまり覚えてないけど...」
「...」
「そうなんだ。」
陽葵は、6人の中で1番元気がない。
というか気力がほとんど残っていないようだ。
魔力切れで倒れていたが
少し休憩したらだいぶ回復したが
きっとこの元気の無さはそれではないだろうな。
「でも、」
「魔法が使えても」
「司を守ってあげられなかったけどね」
「いつも、司は私の事守ってくれてたのに」
陽葵の、ネガティブな発言を見るのは珍しいが出来ればいまじゃなかったら良かった。
「もう、」
そんな陽葵を見て花がため息を着いた次の瞬間。
バンッ!
「痛っ」
陽葵の背中を思いっきり花が叩いた。
「なんで?」
陽葵は、少し涙目になりながら花に言った。
「いや」
「さっき慎さんに」
「今悔いるよりも次なにすべきか考える」
「って言われたのに」
「陽葵がずっとネチネチ言ってるから」
花が、当たり前でしょ!
と言わんばかりの口調で言った。
「そんなこと言ってたんだ。」
どんだけ、周りが見えていなかったのか。
「それに、」
「今回ばかりは」
「誰のせいでもないでしょ」
そんな場面を見ていた蛍が口を開いた。
「えっ?」
陽葵は、驚きながら言った。
「だって、」
「私がその場に居たとしても」
「同じ結果になってたと思うよ?」
「訓練と実際の戦場では」
「全然違うと思うし」
「それに、陽葵は訓練をしてないんだよ?」
蛍は、冷静に言った。
「そうそう」
「蛍の言う通りだよ。」
「私近くで見てたけど」
「怖くて、前に出ることすら出来なかった。」
「だから、あの状況で」
「前に出て戦っただけでも十分すごいことなんだよ?」
「夢描、」
「そうだよね」
「私が、今くよくよしてても」
「意味が無いんだよね」
「司のことだから」
「きっと、今頃翼の騎士団に」
「文句のひとつくらい垂れてるよね」
なんでだろう。
『ここ暑いだろ!』
とか
『しっかり掃除してんだろうな』
とか、いつもの威勢で言っているのが容易に想像できてしまう。
「ぶっは」
そんなことを想像したら思わず蓮か、吹き出した。
「言えるはそれ」
蓮が、笑ったことでみんなつられて笑ってしまった。
「そうだよ」
「だから、今私たちができる最善を尽くそう。」
花が、陽葵の手を取り言った。
「大丈夫、」
「陽葵は、私も私の家族も救ってくれた。」
「今度は、みんなで司を救おう。」
その花の言葉に陽葵の頬には1粒の涙が零れた。
「...うん!」
―こうして。
翼の騎士団から司を奪還する
B組の戦いが今始まる。
第148話を見て下さりありがとうございます!!
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次回もどうぞお楽しみに!




