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139.作戦実行その1

「鑑定魔法」

「岩質透視」


そう唱えた流星の目が橙色に輝き出した。


そうして、なぜか、司やズグーラではなくその周りを鑑定しだした。


「あっ!」

「いや、小さすぎるか」


流星は、周りの壁を見ながらブツブツと何かを言っている。


「流星どうですか?」

「わかりましたか?」


その様子を近くで見ていた、恋歌も心配そうに言った。


「うん」

「分かるよ」

「でも、陽葵の言ってる大きさが見つからない」


流星は、くまなく探しているようだったが一向にその何かを見つけることができなかったのだろう。


「仕方ない」

「鑑定魔法」

「岩質透視」

「慧眼(けいがん)」


流星は、さっきと同じ岩質透視を使ったが

違うところがあった。


それは、慧眼という言葉が付け加えられたのだ。

そして、さっきまで橙色に輝いていた目が今度は瑠璃色へと色を変えていた。


「おっ!」

「早速使ってるんだ」


直人はその言葉を聞いてニヤけた。


「うん」

「見つけられなさそうだしね」


「あった!」

「これなら行けそうだな」


流星は、ズグーラの後ろの壁を見ながら叫んだ。


「陽葵、60°だよ」


流星は謎の数字を言った。


「ありがとう!」

「60°だね!」

「さすが!」


陽葵は、その数字の意味を知っているようだった。

そして、さっきまでの真面目な顔と反して笑顔で答えた。


一方そのときりかも、魔法を使っていた。


「治癒魔法」

「霊糸共有」


そう言ったりかは

何故か司の元へと行かず

自分の右腕に治癒魔法をしだした。


「何してんの?」

「りかも怪我してたの?」


夢描は、りかの不思議な行動に驚きながら言った。

だが、さすがにこの状況で自分の傷を治すはずがないだろう。


「違うよ」

「私たちは、司の近くにいけないでしょ?」

「だから、この魔法が最適なの」

「まぁ、魔力とか性能も落ちるんだけどね」


りかは、そう言った後に

治癒に集中するため黙った。


──────

「くっそ、」


司が、苦しそうな顔をしたまま

魔法を使い続けている。


ズグーラの動きをなんとか、凍封で止められてはいるが


「やばいな」

「中級魔法を使える魔力がなくなってきてる」


司は、珍しく焦っている。


頭の中に負けを思い浮かべているからだ。


グッグァァァ


ズグーラが、力を取り戻したかのように叫び出した。


「まじか、」

「こいつ、俺の魔力を吸ってる」


どんどんと吸われていく魔力


それに合わせるようにどんどんと増える鼓動。


司は、自分の敗北を認め諦めようとした時。


ぽわぁん


「なっ、」


さっきの攻撃で動かすことさえ難しい右腕が突如光り始めたのだ。


もちろん司の魔法ではなかった。


「何だ」

「こいつの魔法か?」


「ーーー!!」


そう困惑していた時、後ろから何かを叫ぶ声がするのに気づいた。


「司!」

「今、りかが治癒魔法で右腕を治してくれてるから」

「もう少しだけ耐えて!」


陽葵の声だった。


だが、司の周りにりかは居ない。


「はっ、」

「霊糸共有か」

「使えるようになったんだな」


―霊糸共有


それは、何ヶ月も前からりかが取得するために特訓をしていた魔法。


治すべき相手が近くにいない場合あるいは近くに行けない場合

自分の視界に入る範囲に相手がいる時のみ使える。


さっきりかが、自分の右腕に治癒魔法をかけていたのはその理由だった。


中級魔法だが、上級魔法に匹敵するぐらい難易度が高い魔法である。


「私だって」

「みんなと一緒に戦いたいの!」


ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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